岩瀬コスファ、効能評価試験済みの抗シワクリーム製剤を提案

C&T 2022年6月15日号 44ページ

岩瀬コスファ、効能評価試験済みの抗シワクリーム製剤を提案
 岩瀬コスファでは、抗シワクリーム製剤「リンクルリセット」の提案を行っている。同社の試験受託(BIOX)グループにて抗シワ効能試験済みのため、当処方をそのまま利用すれば、別途試験をせずに「乾燥による小ジワを目立たなくする」と標榜することが可能だ。

 「当処方をそのまま利用いただければ、抗シワ効能試験に掛かるコストも削減できるほか、開発期間も短縮できる。パッチテスト・チャレンジテストも実施済みだ。また、当処方は抗シワ効能試験を行っていただく際の参考にもしていただくことができるだろう」(同社)

 リンクルリセットは、5つのキー原料を中心に構成されている。

 1つ目は「ARGIRELINE peptide」(ARGIRELINEはリポテック社の登録商標)だ。リポテック社が得意とするペプチドデザイン技術により開発された有効性の高い素材で、表情じわをターゲットとし、その形成を改善する効果をもつ。

 表情じわの形成は、繰り返される顔の筋収縮に関係している。同品は、SNARE複合体の形成を阻害し、アセチルコリンの放出を抑制することで、筋肉の収縮を抑える。

 表情じわを軽減する目的で、美容外科で用いられるボツリヌス神経毒素と同じ作用点でありながら、ボツリヌス神経毒素とは異なり、SNAP-25を分解せずにSNAP-25と競合することで効果を発揮する。

 リンクルリセットには配合していないものの、新グレードとして「ARGIRELINE Amplified peptide solution」も展開されている。SNAP-25がSNARE複合体を形成するのを阻害しアセチルコリン放出を抑制する「ARGIRELINE peptide」の機能を持ちつつ、加えて、SASPの放出を抑制することで老化を防ぐ。

 2つ目の「UPLEVITY peptide」(UPLEVITYはリポテック社の登録商標)は、弾性線維の形成に関与する重要なタンパク質であるLOXL1とフィブリン-5、エラスチン、その他ECM構成成分の産生を促進するテトラペプチドで、たるみを改善する効果をもつ。

 40名を対象に、同品を1%または2%配合したクリームを、1日2回、 56日間塗布し続ける試験を行った結果、0日目と56日目を比較すると顔のたるみの改善がみられた。同品は、顔の輪郭の形を整え、リフティング効果を発揮することがわかった。

 3つ目は「REPROAGE peptide」(REPROAGEはリポテック社の登録商標)である。細胞内におけるタンパク質を合成する過程で遺伝子の発現をコントロールする分子機序「エピジェネティクス」に着目した。細胞をリプログラミングすることで、表皮細胞の増殖と再生機能を長時間維持させ、ターンオーバーを促進する。

 実施した試験でも、Reproage配合クリームを塗布することによる表皮ターンオーバー速度の促進、肌の明るさの改善が確認できている。

 4つ目は「HYANIFY marine ingredient」(HYANIFYはリポテック社の登録商標)で、真皮のヒアルロン酸を増やして、加齢とともに増えるほうれい線を改善する。

 同品は、スペインのブルターニュ地方の大西洋に面する西海岸にある、アベル・ウラク河口の海藻表面に生息する微生物からバイオテクノロジーを利用して採取した細胞外多糖類である。アベル・ウラク河口は川と海が交わるため、栄養分が豊富に含まれるという。

 同品を1%配合したクリームを連用したヒト臨床試験も行っており、0日目と28日後を比較すると、ほうれい線の改善が確認できた。

 5つ目は「XPERTMOIST molecular film」(XPERTMOISTはリポテック社の登録商標)である。高い保湿効果をもち、小さな傷やダメージを受けた肌をいたわるシュードアルテロモナス発酵エキスとNMF成分の混合物で、薄い塗膜が肌へ密着し、均質性に優れた分子フィルムを形成する。

 XPERTMOIST molecular filmを7%配合したクリームを顔に20日間連用する試験を実施したところ、プラセボクリーム連用と比較し、大きく角質水分量が伸長しており、保湿改善効果が確認できた。踵でもXPERTMOIST molecular film配合クリーム連用の試験を行っており、保湿とひび割れ改善効果が確認できている。

 リンクルリセットは、以上5品をキー原料として構成されている。岩瀬コスファでは、男性3名、女性3名を対象に、リンクルリセットを1日2回、4週間連続使用する試験を実施した。その結果、クリーム塗布部は無塗布部に比べて小ジワが減少する傾向がみられた。無塗布部に比べて塗布部ではシワグレードが減少している(図)

 リンクルリセットの提案に加え、BIOXグループでは、抗シワ効能試験を実施している。非臨床および臨床ともに、国内外の複数施設と業務提携することにより、幅広い試験を紹介できる。化粧品を中心としたin vitro系による各種安全性データの取得や各種有効性を確認する試験についても対応可能となっている。

 「現在も抗シワの案件は数多くいただいている。当社では幅広いエイジングケア原料を取り揃えているほか、幅広いニーズに対応した試験を提案することが可能だ」(同社)
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