一丸ファルコス、エシカルな企業活動に対外評価高まる

週刊粧業 2022年7月11日号 53ページ

カンタンに言うと

  • 社員の働き方改革や健康増進にも注力
一丸ファルコス、エシカルな企業活動に対外評価高まる
 化粧品・医薬部外品、健康食品分野で機能性原料の研究開発を行う一丸ファルコスは、フランスのEcoVadis社によるサステナビリティ調査において、CSRの取り組みが評価され、2018年から継続して「シルバー」評価を獲得するなどESG経営を推進している。

 安藤亮裕取締役は、「『天然資源との共生』を経営理念に掲げる原料メーカーとして地球環境のために何ができるかを考え、事業戦略に組み込んできた」と話すように、食品加工で未利用部位であるサケ頭部の鼻軟骨由来の内外美容成分「プロテオグリカン」の産学官連携プロジェクトはスタートして早10年以上が経つ。こうした積み重ねが近年の対外的な評価につながっている。

 昨年1月には社内にSDGs委員会を発足し、「自然」「技術」「人」の3つのテーマに30年のSDGs達成目標を掲げて取り組みをスタートした。

 同年4月には四つ葉のクローバーの生育を通じて障がい者の就労支援や観光振興に取り組む「幸せの四つ葉プロジェクト」(愛知・田原市)との連携により開発が実現した四つ葉のクローバーエキス「ハピクロ」(シロツメクサエキス)を「SDGs対応原料」と打ち出して販売を開始した。

 安藤取締役は「SDGs達成目標とESG対応とで重なる部分ではSDGs起点の活動を推進していく」と話す。

 環境負荷低減に向けては、濃縮タイプの製品化も進めている。濃縮タイプに切り替えることで、水の使用量や容器のプラスチック量の削減、輸送時エネルギー量・CO排出量の低減につながる。

 同社では社員の働き方改革や健康の増進にも力を入れている。今年より育児や介護をしている社員へのサポートを目的として時差出勤制度や在宅勤務制度を導入した。また、ジェンダー平等の実現の一環として、男性育児休業の取得を推進している。社内イベントを通じた健康増進など独自の施策も進めている。
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