プラシーズ、NeCycleを使った環境対応容器を開発

C&T 2022年9月15日号 22ページ

カンタンに言うと

  • 「漆黒」の深みは高級ブランドにも、1月の展示会で披露し認知拡大へ

プラシーズ、NeCycleを使った環境対応容器を開発
 化粧品容器メーカーのプラシーズは、NECの高機能バイオ素材「NeCycle(ニューサイクル)」を使用した化粧品容器の開発に成功し、環境対応容器シリーズの新製品として、2023年1月より本格的に販売を開始する。

 NeCycleは、高い環境調和性・安全性と優れた装飾性を両立するバイオマスプラスチックで、同社はNeCycleの特徴である高級漆器のような「漆黒(漆ブラック)」を軸にカラーバリエーションを増やし、透明色やメタリック系、ソリッド系の容器もラインナップしている。

 NECが開発した高機能バイオ素材「NeCycle」は、木材やわらの非可食セルロースを主成分とする非食用セルロース系バイオ素材で、耐久性に優れ、海洋での生分解性にも長けている。

 室内環境では10年の耐久性を確保し、海洋中では4~5年かけてほぼ100%分解することが確認されている。非食用セルロース約50%含有し、CO₂排出量約40%削減(通常のプラスチックとの比較)が可能となり、カーボンニュートラルに貢献する。

 NeCycleは、日本バイオプラスチック協会(JBPA)よりバイオマスプラとして認証を受けており、使用製品には認証マーク「バイオマスプラマーク」を付与できる。また、生分解性製品の国際認証機関であるTÜV AUSTRIA社のOK biobasedの認証を取得している。

 リサイクル性が高いのもNeCycleの特徴だ。

 プレコンシューマー材としてNeCycle粉砕材を25%混入しても、外観劣化が少なく安定した成形が可能だ。

 また、ポストポンシューマー材として繰り返しの成形(再成形)でも物性劣化が少ないことが認められている。ペレット化したNeCycle100%リペレット材で5回の再成形を繰り返しても物性がほぼ劣化しない結果を示している。

 素材としての安全性も高く、大腸菌、黄色ブドウ球菌に対する優れた抗菌作用が確認されている。さらに、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス効果も認められた。

 バイオ素材としての装飾性は、漆芸家の下出祐太郎氏(経済産業大臣認定伝統工芸士)との共同開発により、日本の伝統工芸である高級漆器に見られる「漆黒(漆ブラック)」を、塗装なしで実現する。高光沢・低明度で、漆特有の深さ・温かさを付加する。

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