資生堂、医療用ウィッグ「wig+(ウィッグプラス)」を共同開発

粧業日報 2022年11月15日号 3ページ

資生堂、医療用ウィッグ「wig+(ウィッグプラス)」を共同開発
 資生堂は、特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity (JHD&C)、アデランスと3者共同で、頭髪に悩みを持つ人に向けた医療用ウィッグ「wig+(ウィッグプラス)」(5万5000円)を開発した。11月5日午前10時から、JHD&C SATELLITE SALONのホームページにて数量限定で販売し、順次生産を拡大していく。

 同商品は、一人でも多くの人々にデザイン性と品質に優れたウィッグをリーズナブルな価格で提供するため、社会貢献活動の一環として資生堂とアデランスがノウハウを無償提供している。

 国内で初めてヘアドネーションに関する活動をスタートしたJHD&Cでは、寄付された髪だけを使用して作ったウィッグを18歳以下の頭髪に悩みを持つ子どもたちに無償提供している。

 近年、ヘアドネーションへの関心が高まりを見せる中、大人から子供まで様々な人が髪の寄付に参加しており、JHD&Cには全国から多くの髪の寄付が寄せられている。しかし一方で、オーダーメイドのウィッグ製造には時間がかかるため、順番待ちをしている子どもたちが少なくない。また、「19歳以上になっても使える、リーズナブルでデザイン性や品質に優れたウィッグを提供してもらいたい」といった声も寄せられている。

 医療用ウィッグ「ウィッグプラス」はこのようなニーズを背景に、洗い替え用やヘアスタイルを変えたいときなどの2枚目として、あるいは無償提供のウィッグに代わる選択肢として、頭髪に悩みをもつ人々が、自由で気軽にヘアスタイルを楽しむことのできるウィッグとして開発された。軽くて、人毛に比べ乾きやすく手入れしやすい人工毛髪を使用。太さやツヤが異なる毛髪をブレンドし、人毛に近い質感と、植え方にこだわり、自然な生え際とつむじを再現した、ジェンダーレスかつ年齢を問わず使用できるボブスタイルのウィッグとなっている。

 開発にあたっては、資生堂トップヘアメイクアップアーティストの神宮司芳子氏がヘアデザインを監修し、誰もが使いやすいボブスタイルを提案した。これまでのクリエーション活動などを通じて培ったウィッグコントロールに関する知見を提供し、フロント(顔周り)の分け目を簡単に変えられることや、自然に見える生え際とつむじ、さらに耐熱の人工毛髪にすることでアレンジをしやすくするなど、アデランスとともに細部にまでこだわった仕様を実現した。また、オリジナルのバングメソッドを活用した、ヘアアレンジの提案を実施した。これらのヘアアレンジを希望する人には、指定の美容室にて、神宮司氏から講習を受けた美容師がカットをするサービスも提供していく。
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