ライオン、お口の筋力向上を目指すフィットネスサービスを開始

粧業日報 2022年12月2日号 3ページ

カンタンに言うと

  • 実証実験では参加者の7割超が口腔機能の改善を実感
ライオン、お口の筋力向上を目指すフィットネスサービスを開始
 ライオンは11月29日、主に50代以降を対象に、お口の筋力向上を目指すフィットネスサービス「ORAL FIT(オーラルフィット)」(初回プラン2カ月8000円)の販売を開始した。

 「むせる」「話しづらい」「噛みづらい」などのお口の筋力低下が原因の1つとして考えられる衰えに対し、「話す力」や「噛む力」などのメカニズムに着目してトレーニングを設計した。毎日、スマホアプリに、お口の状態に合わせたトレーニングメニューを配信する。自宅で手軽に行うことができ、1日10分、2カ月間トレーニングを続けることで、気になるお口機能の衰えの改善が期待できるという。

 現在50代以上の多くの人が口腔機能の低下による咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)障害など、日常生活に様々な課題を抱えている。同社が実施した調査では55歳~74歳の37%が口腔機能に衰えを感じていることがわかった。

 そこで今回は、口腔健康の維持・増進を目指した「お口のフィットネス」という新習慣を提案することにした。自宅で口腔機能をチェックし、自分の気になる箇所を中心としたトレーニングを毎日実施して、お口周りの筋力向上を目指すもので、ライオンが保有する口腔機能に関する知見を活用するとともに、プログラムの監修にあたっては、日本歯科大学の菊谷武教授に協力を仰いだ。

 公式サイトからアプリをダウンロードし、アプリ内で初回プランに申し込むと、お口の状態を確認するためのチェックキットが送付される。続いて、スマホアプリのガイドで、チェックキットを使いながら今のお口の機能を見える化すると、お口の機能チェック結果からおすすめのコースが提案され、トレーニングコースを選択する。選択したコース内容で、毎日のトレーニングが開始される。

 毎日のトレーニング時間は10分程度で、アプリ上のトレーナーが解説、サポートをするので、知識がなくても問題はなく、いつでもどこでも行えるので、自分のペースで無理なく続けられる。理解を深めるための動画や軽快な音楽もあり、トレーニングの習慣化をサポートする。

実証実験では参加者の7割超が
口腔機能の改善を実感

 実証実験では、口腔機能の衰えに関する自覚症状のある55歳以上75歳未満の27名に「ORAL FIT」を約2カ月間体験してもらい、口腔機能のチェック結果の変化や改善実感の有無について調査した。

 事前アンケートの結果、口腔機能の衰えに関する自覚症状のうち、特に「口の渇きが気になることがある」「滑舌が悪くなったと感じることがある」と回答した人が多く、それぞれ22人(81.5%)、20人(74.1%)だった。

 「ORAL FIT」体験開始前と開始2カ月後の口腔機能の自己チェック結果を比較した結果、「唾液を出すチカラ」としてチェックした「5分間の安静時唾液分泌量」について、「3mL以上」と回答した人が、10人(37.0%)から16人(59.3%)と1.6倍に増加した。また、「舌のチカラ」としてチェックした「10秒間連続して『カ』と発音する速度」については、「7回/秒以上」と回答した人が15 人(55.6%)から24人(88.9%)と1.6倍に増加していた。

 体験後のアンケートで、「ORAL FIT」体験によりお口の状態が良くなった実感があるか調べたところ、21人(77.8%)が「非常に感じる」「やや感じる」のいずれかを回答していた。また、体験期間中の口腔機能の改善実感を調べたところ、20人(74.1%)が「唾液が出るようになった気がする」と回答し、19人(70.4%)が「滑舌が良くなったような気がする」と回答していた。

 「今回の検証から、開発したお口のフィットネスサービスが、体験者の口腔機能を改善したことが示唆された。今後も健康に寄与するより良い生活習慣の提案に向けて研究を続けていく」(同社)
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