新日本製薬 後藤孝洋社長CEOインタビュー

訪販ジャーナル 2023年1月23日号 1ページ

2023年1月23日 10時00分

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 新日本製薬は11月11日、2022年9月期決算を発表した。売上高は、前期比5.5%増の361億700万円、営業利益は前期比2.9%増の35億2200万円となり、過去最高売上高を更新、営業利益は上場来最高益を継続している。

 クッションファンデーションやパーフェクトワンフォーカスの成長、ヘルスケアの拡大がトップラインを牽引した。好調に推移した要因と今後の展望について、代表取締役社長CEOの後藤孝洋氏に話を伺った。

クレンジングバームがヒット、
ヘルスケア領域拡大へ

 ――コロナ禍が続く中でも、業績は好調に推移しています。

 後藤 好調要因は4つある。1つ目は、「パーフェクトワン」から、2021年4月に定番商品として発売した「グロウ&カバークッションファンデーション」であり、シニア世代、ミドル世代の新規顧客獲得に大きく寄与した。

 2つ目は、2021年9月にローンチした、20代~30代の肌悩みにフォーカスした新ブランド「パーフェクトワンフォーカス」で、今までとは異なるターゲットである若年層にアプローチすることができ、計画を上回る売上を達成した。

 特に「スムースクレンジングバーム」については、本音のコスメ批評誌「LDK the Beauty」にて4冠を達成するなど、高い評価をいただいている。クレンジングバームは先行ブランドが数多くあり、競争が激しい市場でもあるが、使用感の良さを追求したことが功を奏し、口コミサイトでも品質面を評価いただき、ヒット商品へと成長した。

 プロモーションについては、TVCMや新聞広告、雑誌広告をはじめとした従来のオフライン戦略ではなく、SNSを中心とした新たな戦略のもと、ブランディングを進めていった。ターゲット層に合わせたインフルエンサーの活用やSNSマーケティング施策により、パーフェクトワンフォーカスの認知度は一気に拡大し、特に大手ECモールでの販売が好調に推移した。

 また、これまで当社商品はドラッグストアでの展開を行っていなかったが、パーフェクトワンフォーカスに関しては、ドラッグストアとECモール、自社ECサイトにて展開してきた。ターゲット層に合わせた戦略と新たな販路開拓で、当社がこれまで課題としてきた若年層に対して、上手くアプローチすることができたと感じている。

 現在は、モイスチャーバランスラインとセンシティブラインの2ライン、スムースクレンジングバームとスムースウォータリージェルの2品、計4SKUの展開となっているが、今後はさらにラインナップを拡充していきたいと考えている。

 3つ目には、「Fun and Health」の機能性表示食品「Wの健康青汁」の好調が挙げられる。2021年までは、ヘルスケア商品への広告投資を戦略的に抑制してきたためヘルスケアの業績は少しずつ下降傾向にあり、新商品の上市をあまり積極的に行っていなかったが、2022年はWの健康青汁を主力商品として、ヘルスケア領域の拡大を目指してきた。肥満気味の方の体脂肪や血中中性脂肪の減少を助けるエラグ酸と、高めの血圧を下げる働きがあるGABAを配合しており、コロナ太りの対応策としての訴求がマッチして、新規顧客獲得に大きく貢献した。

 また、2021年には、MCTオイルをはじめ、GHEEオイル、バターコーヒーなどの食材の輸入・卸および販売を行っているフラット・クラフトを子会社化している。フラット・クラフトが取り扱う機能性の高い食品「Wellness Food」では、主力のMCTオイルが売上を伸ばし、Wellness Food全体としては10億円強まで売上規模を拡大した。MCTオイルやアマニ油のニーズが世界的に拡大する中で、会員制倉庫型スーパーを中心に好調に推移したことが4つ目の要因だ。

 ヘルスケア領域では、今後も当社とのシナジーが期待できる企業とのアライアンスやM&Aを検討しており、常に情報収集を行っている。

 これら4つの要素が影響して、2022年9月期については、過去最高売上高、営業利益は上場来最高益を実現することができたと考えている。

中国展開はロックダウンの影響大、
2022年は再構築の取り組みに注力

 ――海外展開についてはいかがでしょうか。

 後藤 中国はロックダウンの長期化で大きく影響を受け、苦戦した。そうした状況を受け、中国展開について、2022年は再構築の期間として割り切り、パートナー企業との関係性強化、マーケティング方法の見直しなど、2023年に向けた取り組みに注力してきた。

 さらに、越境ECの強化として天猫国際への旗艦店の出店やパーフェクトワンフォーカス投入の準備を進めてきた。今後の需要拡大に備えて、新たな販路を開拓し、方向転換を図った1年といえるだろう。

 米国に関しては、Amazonを中心にテスト展開を行ってきた。特定の国だけに依存せず、幅広く展開することはカントリーリスクを回避するために重要なポイントであると考えており、今後も米国への展開を強化していく方針だ。

 ――水際対策が緩和され、化粧品業界でもインバウンド需要回復への期待が高まっています。

 後藤 当社は通販が購入チャネルの中心であり、コロナ禍以前は店舗展開をあまり行っていなかったため、インバウンド需要の恩恵をほとんど受けておらず、コロナ禍突入後のインバウンド失速の影響もあまり受けなかった。ただ、現在は、パーフェクトワンフォーカスはドラッグストア、パーフェクトワンについてはバラエティショップや直営店、GMSの化粧品コーナーで販売しており、今後のインバウンド需要獲得に向けた土台が整ってきている。

 ――コールセンターのコスト軽減も営業利益の上振れに貢献しました。

 後藤 シニア世代などECをあまり好まない世代に向けては、電話は非常に重要なコミュニケーションツールだと考えている。そうした中で、入電の時間帯予測の精度を高めることによって、1件を受注するのにかかるコストを圧縮することに成功した。

 さらに、紹介した商品名や案内に対する反応など、お客様との細かなやりとりをデータとして残す運用を強化したことで、クロスセル、アップセル提案が好調に推移し、顧客単価アップにつながった。効率化によるコスト削減、運用変更によるコミュニケーションの質向上も、2022年9月期の数字を後押ししたと考えている。

ヘアケアブランドをローンチ、
オリジナル成分配合の育毛ケア

 ――1月11日には、ヘアケアブランド「パーフェクトワンヘアネスト」をローンチしました。

 後藤 ヘアケアは、スカルプケア関連をはじめ、コロナ禍において目覚ましい成長を遂げた市場の1つだと思う。当社では、洗浄・トリートメント・速乾等の機能をもつオールインワン型のシャンプーを既に展開しているが、そこに機能性をプラスした商品を上市したいと以前から考えており、計画を進めていた。この度、当社の独自性を出せる処方で、ブランド「パーフェクトワンヘアネスト」として発売することとなった。

 ラインナップは、濃密クリーム泡が頭皮に密着し、つや髪へ導く多機能シャンプー「パーフェクトワンヘアネスト スカルプナノシャンプー」と自宅でヘッドスパ体験をしながら育毛ケアができる多機能エッセンス「パーフェクトワンヘアネスト スカルプナノエッセンス」の2品で、40代以降の女性をメインターゲットとし、香りや使用感にもこだわっている。

 パーフェクトワンヘアネストは、薬用植物の研究に力を入れてきた当社が、抜け毛や薄毛への効果として植物の「根」の力に着目し、起案から2年半以上の歳月をかけて開発した。 

 当社は日本において絶滅危惧IB類に指定されている、「ムラサキ」の栽培方法を確立し、2016年に特許を取得している。そのムラサキの根部分である紫根から抽出した「紫根エキス」は、油溶性で化粧水などに配合する際の安定性が十分でなく、配合量が限られてしまう難点があった。そこで、「紫根エキス」の安定性を高める方法を研究し、オリジナル成分「カプセル紫根」として原料化、パーフェクトワンヘアネストへ配合した。

 既存顧客に向けてだけでなく、パーフェクトワンフォーカスのように、これまでご縁がなかった方々にもアプローチできるブランドへと育成していきたい。

パーパスを制定し新たな一歩、
アフターコロナに向けて加速

 ――2022年3月には創立30周年を迎えました。そして今回、新たにパーパスを制定されました。

 後藤 これまで経営理念を基軸とした経営を行ってきたが、次のステージに進むため、パーパス「美と健康の『新しい』で、笑顔あふれる毎日をつくる。」を制定し、新たな一歩を踏み出した。美と健康の領域を深く掘っていきながら、新しいものを生みだしていくという、当社の存在意義を明確に表現したパーパスとなっている。

 ――今後の展望についてお聞かせください。

 後藤 コロナ禍では足踏みをしながらも成長し、新しく生みだし、また変化する状況に対応するため様々な改革を行ってきた。当社では「VISION2025」という中期経営計画を立てており、2023年は計画の2期目にあたる。新たに制定したパーパスに基づいて、積極的に新たなチャレンジを行っていきながら、アフターコロナに向けて加速していく。

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