花王 西口徹専務、心に響く「モノづくり」を国内外で推進

週刊粧業 2023年10月16日号 6ページ

カンタンに言うと

  • パートナー企業と「共創」し新たなブランド・商品を開発
  • 世界市場を見据え成長領域で新戦略を迅速かつ鋭く実行
  • 特長を徹底的に尖らせることで花王ブランドの想起率を高める
花王 西口徹専務、心に響く「モノづくり」を国内外で推進
 花王は、新中期経営計画「K27」を策定し、資本効率の改善とグローバル展開の強化に向け、新たに「ROIC」と「海外売上高」の2つの指標を設定した。ROICの全社導入を進め、構造改革を断行し、顧客の重大なニーズに、エッジの効いたソリューションで世界№1の貢献をする「グローバル・シャープトップ」事業を擁立する企業を目指す。

 勤続38年のうち30年を海外で過ごしてきたという異色の経歴をもつ西口徹 取締役 専務執行役員に、コンシューマープロダクツ領域におけるブランド・商品開発、マーケティング施策の方向性や、将来あるべきコンシューマープロダクツ事業の姿について話を伺った。

パートナー企業と「共創」し
新たなブランド・商品を開発

 ――コンシューマープロダクツ領域におけるブランド・商品開発について現状の取り組みをお聞かせください。

 西口 私は花王グループにおいて勤続38年のうち30年を海外で過ごしてきました。海外子会社の経営にあたって常に心掛けてきたのは、「一瞬で伝わるわかりやすさ」です。あらゆる国の人々が一瞬にして理解できるマーケティング、モノづくりを目指し、日々取り組んできました。

 「LTV(ライフタイムバリュー)」をはじめマーケティング業界には、ローマ字3文字の言葉で溢れていますが、個人的にはあまり好きではありません。もっとわかりやすい言葉で表現すべきだと考えています。

 今年1月にコンシューマープロダクツ事業統括部門の総括に就任し初めてメンバーを前にスピーチした際には「消費者という言葉を使うのをやめ、生活者という言葉を使いましょう」と伝えました。

 何気なく「消費者」という言葉を発することで、ブランド・商品開発やマーケティング施策の質そのものが低下してしまうからです。

 新しい衣料用洗剤・柔軟仕上剤の開発をすると仮定します。「消費者」という言葉を使って物事を考えた場合、洗濯のシーンだけを考えてしまいがちです。しかし、「生活者」という言葉を使って物事を考えると、視野が圧倒的に広くなり、1日24時間の中にどのように提案を落とし込んでいくべきかという具合に考え方が変わります。

 それがモノづくりやマーケティング施策に反映されるはずで、生活者とのコミュニケーションの仕方も変わってくるでしょう。

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