コーセーとアルビオン、メタルレスポンプの開発に成功

粧業日報 2023年10月4日号 1ページ

カンタンに言うと

  • ポンプ機構部の金属製バネをプラスチック製にし、リサイクルを促進
コーセーとアルビオン、メタルレスポンプの開発に成功
 コーセーは、アルビオンと吉野工業所とともに環境に配慮した資材の開発に取り組み、金属部品を使用しない「メタルレスポンプ」を共同開発した。

 これはポンプディスペンサーにおいて、これまでプラスチック製にすることが困難とされていた機構部内の金属製バネをプラスチックで置き換えたもので、廃棄後の分別回収が容易になることでプラスチックのリサイクルを促進することが期待できる。

 コーセーグループは、さらなる成長ステージを目指した中長期ビジョン「VISION2026」にて、基本戦略の1つとして「グループ内シナジーの発揮と他社協業による取り組み加速」を掲げている。今回、アルビオンとのグループシナジーを追求する中で、サステナブルな資材の観点で初めて共同開発を行った。

 同社では、「コーセー サステナビリティ プラン」で掲げる環境に配慮した容器包装の開発に向け、4R(Reduce・Reuse・Recycle・Renewable)の取り組みとして、様々なリサイクル素材の採用等、多面的な検討を進めている。

 プラスチックの資源循環促進の意識や社会要請がより一層高まる中、モノマテリアル(単一素材)化を目指し、メタルレスポンプの開発に取り組んだ。モノマテリアル化の実現は、資源を循環させる際に素材ごとへの分解・分別が不要になるメリットがある一方で、化粧品容器でも多く使用されているポンプディスペンサーは、大部分はプラスチックから構成されるが、中味を吸い上げる重要な役割をもつ機構部に耐久性を考慮して金属製のバネが使用されており、その性能をプラスチックで再現することが非常に困難であることから、これまで使用されてこなかった。

 今回、3社で開発した「メタルレスポンプ」は、金属製のバネに近い強度や性能を発揮する素材の検討や形状設計をし、中身を吸い上げる強度や耐久性を繰り返しテストすることで、目標の品質を実現した。

 リサイクルの難しいプラスチックの削減に向けたモノマテリアル化の第一歩として、金属部品を使用しないこのポンプを足がかりに、パッケージに使用する素材の単一化、使用素材の種類の削減に取り組み、廃棄後の分別回収が容易にし、プラスチックのリサイクル促進につなげる。
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