日本精化、リン脂質を化粧品・医薬の柱に

週刊粧業 2023年10月16日号 56ページ

日本精化、リン脂質を化粧品・医薬の柱に
 日本精化では、原料高の影響を受けながらも、業績は堅調に推移している。上半期では、営業体制の強化に向けて、組織改正に取り組んだ。

 今年4月からの組織改正の1つとして、これまで香粧品営業第1部(国内)・第2部(海外)の2部門に分かれていた化粧品原料の営業を、ビューティケア営業部として統合した。

 「従来の体制では、国内と海外の情報にタイムラグが生じてしまう部分があった。それぞれを分けずに、世界全体で一つの化粧品市場として捉えたシームレスな提案を行っていく」(営業本部 ビューティケア営業部長 早坂友幸氏)

 同社が化粧品原料の柱の一つとして掲げる「リン脂質素材」は国内・海外市場において主力製品としてさらに注力する。

 同社HPには、リン脂質の認知度を向上させ、化粧品メーカーからより使われやすい素材へと導くため、リン脂質をわかりやすく解説した特設ページが開設されている。

 入社歴の浅い社員を中心に作成しており、一般消費者もリン脂質について学ぶことができる。

 海外市場においてもさらなる認知拡大を図るため、リン脂質特設サイトの英語版を公開した。さらに、海外のユーザーを同サイトに誘導する広告戦略を実行している。

 「海外における認知拡大では、現地販売店と積極的にコミュニケーションを取り、我々の分身として魅力を伝えていく。重点的なアプローチとして、セミナー開催なども考えている」(早坂氏)

 同社では、2022年度に医薬品用リン脂質に多額の投資を行っており、化粧品と医薬の両面で、リン脂質の提案をさらに強化していく。

 また同社では、健康食品素材でも使用されている再生可能資源からなる自然由来指数100%の多糖体「Inulin-SC」(イヌリンエスシー)を化粧品原料として販売しており、新たに動物実験代替法を活用し、イヌリンとして初めて医薬部外品新添加物の承認前例を取得した。

 「べたつき改善や増泡ブースター、微粒子付着抑制など化粧品のみならず、医薬部外品にも使用可能な製品の拡充に成功した」(早坂氏)
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