池田物産、100%天然由来の複合乳化剤が好調

週刊粧業 2023年12月4日号 8ページ

カンタンに言うと

  • 保湿機能に優れたエモリエント剤も好調
池田物産、100%天然由来の複合乳化剤が好調
 天然由来の機能性原料を主に取り扱う老舗商社の池田物産では今年、新型コロナの5類移行に伴う外出機運の高まりを受け、国内市場を中心にUVやベースメークが回復基調にあることから、フランス・ガテフォッセ社が開発した100%天然由来の複合乳化剤の中でも安定性が高く、処方化しやすいPEGフリーのO/W乳化剤「エマリウム ドルセア MB」が好調に推移している。

 同原料は、幅広い油剤に対する乳化力と耐塩性、耐エタノール性を兼ね備え、セラムから硬いバター状まで粘度の調整が可能で、スキンケアやメークアップ、サンケアなど様々な処方に対応する。

 「安定性が非常に担保しやすく、生分解性の高い処方開発が可能な点やベタつきのなさも非常に好評だった。また、UVやベースメーク以外に、敏感肌向けやお子さんと一緒に使用できるスキンケアにも検討いただくなど、幅広い用途に対応できる」(同社)

 既存原料ではこのほか、訪日客によるインバウンド需要の回復に伴い、フェイスマスクでの採用が多いエモリエント剤「L22」(アメリカ・カーギル社)への引き合いが高まっているという。

 L22は、ホホバ油やマカデミア種子油などの植物オイルを由来とし、22歳頃の健康な皮脂の構成成分を植物由来成分で再現したノンコメドジェニックの脂質複合体で、一般的なエモリエント剤よりも皮膚のバリア機能回復においてよりよい効果をもたらすことが示されている。また、臨床試験の結果から肌の弾力、ハリ、保湿性の向上と、セラミド(1・2)との併用によるバリア機能回復の向上が確認されている。

 最新原料では、ティーツリーオイルの製造工程から生まれた残渣物をアップサイクルした原料で、メラトニンの産生を促進し、モニター試験で睡眠の質を高めることが確認された「レジナイト」(カナダ・ルーカスマイヤーコスメティックス社)の提案に注力している。

 「既存原料を大事にしながら新たなサプライヤーを探索し、今後も常に最新の製品や情報を市場に供給していく」(同社)
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