バスクリン 三枚堂正悟社長、予測困難な時代にこそ先見力を持って

週刊粧業 2024年1月1日号 68ページ

バスクリン 三枚堂正悟社長、予測困難な時代にこそ先見力を持って
 2023年は、新型コロナウイルスが5類感染症へ移行したことで、3年ぶりに日常を取り戻した年となりました。行動や活動が制限されることなく生活できている傍ら、事業環境には様々な変化があり、社会が激しく移り変わっていることを実感した年でもあります。ウクライナ侵攻やガザ地区の紛争・エネルギーの高騰や物価の上昇・地球温暖化の影響による異常気象など、社会と環境の問題を考えることが増えた方も多いのではないでしょうか。

 弊社としましては、コントロールが及びにくい外的要因の影響もあり、売上高、利益ともに計画を下回る結果となりましたが、今年は、適正価格の見直しだけでなく、経営効率の改善に向け、業務の効率化・コスト低減を一層強力に進めてまいります。

 さて、弊社の主軸商品である入浴剤ですが、お客さまの声を伺うと、いかに環境に配慮された商品であるかに、関心が寄せられていることを強く感じることができます。弊社は「自然との共生」を原点とし、入浴後の排水が環境に負荷を与えないような天然原料の優先使用、古紙を利用した容器開発、プラスチック使用量の削減、洗濯での残り湯の二次利用の啓発、さらには、生産時の洗浄水の使用量抑制など、自然環境への配慮を優先した取り組みを行っております。

 また、環境対応の容器や製剤の開発だけではなく、「水を育む、森を守る」をコンセプトとした、「バスクリンの森」プロジェクトにも取り組んでおります。このプロジェクトは、長い間放置されてしまった森を再生していくことで地球環境を守る活動となり、微力ではありますが、今後もこうした取り組みを継続してまいりたいと考えております。

 一人でも多くの方に手にとっていただけるよう、日本全国の多くのチャネルで弊社の商品をお取り扱いいただいておりますが、一方で経営課題として認識しているのが「返品」です。SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に照らしても、メーカーとしてその責任を果たすべきと強く感じ、流通お取引先さまにおかれましても返品作業は利益損失といえることですから、非常に大きな課題と考えております。これまでも取り組んできた課題ではありますが、本年からその重要度・優先度をさらに大きく引き上げ、「返品問題の取り組み強化」に積極的にチャレンジし、社会貢献につながるご提案をしてまいる所存です。

 2024年、世の中がどのように動くのか見通すのは容易ではありません。それでも社会の変化を見極め対応できるよう「先見力」を磨きながら、弊社経営理念である「自然との共生を原点とする」経営の実現を目指し、お客さま、お取引先さまからのさらなるご支持を得られる企業であり続けるよう、経営努力を重ねてまいります。引き続き、格別のご理解、ご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 最後に、新しい年が皆さまにとりまして、ご多幸とご繁栄の年となりますよう、心からご祈念申し上げます。
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