アルビオンは2月18日、まばゆいほどの輝きと透明感で、迫力のある美しい肌を実現する美白美容液「セルフホワイトニング ミッション」(医薬部外品、40 mL・8800円)を発売した。
美白シリーズを1974年に業界で初めて発売した同社は以来50年ひたむきに「美白」と向き合い続けてきた。「角層を白く染め上げる(角層美白)」というコンセプトのもと、肌で実感できることを追求する同社だからこそ成し得た単品型戦略商品「セルフホワイトニング ミッション」の開発背景や今後の育成方針について、商品開発部 部長 丸島陽子氏にインタビューした。
――アルビオンのこれまでの美白研究について振り返っていただきつつ、「セルフホワイトニング ミッション」の開発背景をご説明いただけますか。
丸島 国内においては、アルビオンが1974年に発売した「ナチュラルシャイン」が美白における初のシリーズ展開といわれており、今年で誕生から50年を迎えます。
当時は小麦肌ブームの全盛期でしたが、透明感のある白肌に価値を見出し、シリーズとして美白を打ち出すなど、美白にこだわりが強いメーカーとして歩みを進めていました。今から20年以上前の2000年には肌の透明感に着目し、「角層美白」をシリーズ全体のトリートメントメカニズムとして搭載した「エクサージュホワイト」シリーズを誕生させました。
美白ケアにおいてシミのメカニズム解明やメラニンへのアプローチが主流の中、メラニンを作らせないようにすることでシミ・ソバカスを防ぐというアプローチのみでは効果実感が得られにくいといった課題がありました。
そこで肌実感にこだわり、メラニン以外の肌色の見え方を左右している要因について研究を進め、肌内部から跳ね返す内部反射光をうまく操ることができれば、メラニンケア以上に使ってすぐの肌実感が高まることが判明しました。
当時の美白ケアとしては斬新なアプローチでしたので世の多くの方々には逆に新鮮に映ったようです。小麦肌ブームで流行っていた「セルフタンニング」とは真逆の発想で、瞬間的に肌を白く染め上げることから「セルホワ(セルフホワイトニングの略語)」という愛称が生まれ、店頭には「セルホワ」を求める女性たちが殺到しました。
しかしながら、それ以降は美白研究の進化を商品として提案し切れていない時期が続いてしまったこともあり、今回は改めてアルビオンが目指す美白の方向性を指し示せるような単品アイテムで勝負すべきと考え、新商品の開発に着手しました。
「セルフホワイトニング ミッション」の開発にあたっては、「美白のアルビオン」という印象を復権させたいという思いから、「角層美白」をさらに進化させ、「ミッションは美迫力」をテーマに、速効的に魅せる効果と芯から輝かせる効果の両立に挑みました。
他メーカーの基礎化粧品をお使いで毎年美白アイテムを渡り歩いていらっしゃる方々にもアプローチできる単品型戦略商品として投入することになりました。
やはり我々が美白において一番の強みとして打ち出せるのは実感が伴う「角層美白」ですので、2000年の「エクサージュホワイト」シリーズをかなり進化させた形で新たな美容メカニズムを搭載しました。
――中身の進化について教えてください。
丸島 お風呂に長く入り過ぎた時に指先がふやけてしまうのは水分が必要以上に入り込んでいるためであり、ふやけている部分だけ白く見えます。この現象こそ、今回の「角層美白」を実現するうえで大きなヒントになりました。つまり、多量のうるおいを閉じ込めることができれば肌は白く見えるということです。
角層細胞1つ1つに通常以上のうるおいを持続させることが明るくみせるうえでのポイントですが、それが持続しないことが一番の課題でした。
「セルフホワイトニング ミッション」の開発にあたっては、毎朝晩使っていただくことを前提に、うるおい保持力を12時間持続させることを目指し、探索を行った結果「ケイ素」にたどりつきました。
肌内部のうるおいである水分には、結合水と自由水があります。自由水とは、アミノ酸や脂質などの分子と結合せずに自由に動き回れる水分のことです。それに対し、結合水とは、角層細胞のケラチン線維やNMFを構成するアミノ酸と分子として結合した水分で角層内に留まる力が高い水分のことです。「ケイ素誘導体」は角層に結合水としてうるおいを保持させる効果に非常に優れていることが判明しました。
ここが今回の一番の進化ポイントであり、1日2回朝晩の使用で24時間、うるおいで満たされた時にみられるような明るさが肌上で持続され、鮮明で美しく、澄んだ透明感の実感につながります。
また、色素へのアプローチも行っています。赤血球に含まれるヘモグロビンが代謝されてできる黄色い色素「ビリルビン」と、肌を構成する黒色の色素「メラニン」の2つの色素に着目しケアすることで、透明感を格上げし、より鮮明な輝きへと際立たせます。
一度生成されると分解されることなく角層で垢となって剥がれ落ちるまで残り、肌色を黄色くくすませてしまう「ビリルビン」。肌印象をくもらせるくすみにアプローチすべく、「水溶性ビタミンC誘導体[L-アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム]」「リノール酸エチル」などを配合しています。また、美白有効成分「トラネキサム酸」がメラニンの生成を抑制し、日やけによるシミ・ソバカスを防止。1本使い終わる頃には、本質的な色素ケアが進むような設計となっています。
単品型戦略商品「セルフホワイトニング ミッション」
――どういった層を取り込んでいきますか。
丸島 美白研究の進化は目覚ましいものがありますし、生活者の方々も自分にとって必要なものを見極めて美白アイテムを購入されています。
そうした中で、毎年新しい美白アイテムに手を伸ばす方が多いのは最先端技術が搭載されたアイテムを使いたいという理由もあろうかと思いますが、効果に対して十分に満足していないという部分が大きいのではないかと感じています。
美白というのは効果実感を得られるまでに時間がかかりますし、効果を実感する前に日やけしてしまうこともあり、諦めを感じている方が少なくありません。化粧品は毎日使う喜びであったり楽しさがあるからこそ継続できると思いますので、実感としてすぐに現れるというのが「セルフホワイトニング ミッション」の一番の強みです。
様々な美白アイテムを試してきた方や、アルビオンをご存じでない方、美白に対して飽くなき追求心を持っている方などに広げていきたいと考えています。
通年で美白アイテムを取り入れたいという方が増える中、単品として敢えてシリーズに属さない形で展開し、愛用者の拡大を図っていきます。
――商品のポテンシャルをどのように考えていますか。
丸島 「セルホワ」という考え方は肌実感を追求するアルビオンらしいですし、斬新だと思います。肌の角層にアプローチすることで瞬間的に見た目を変えるという考え方自体が化粧品らしいとも感じています。
あくまでも構想段階ですが、角層にアプローチして肌の見え方を変えるという概念のもと、瞬時に効果を感じられるような化粧品をもっと開発できるのではないかと考えています。根本的なケアを行いつつ、効果実感も得られるような、使うのが楽しくなるような化粧品を、肌悩み別にラインナップし、それぞれを進化させていくことも面白いと感じています。
セルフホワイトニング ミッション キャンペーン
――プロモーションについて教えてください。
丸島 発売1カ月前の1月18日に情報を解禁し、LINEやSNSで話題醸成のための取り組みを進めており、短期集中で話題を広げて期待感を高めていきます。
一例として、「最速!美迫力体感キャンペーン」を実施し、先着1万人に「セルフホワイトニング ミッション」の3daysサンプルを郵送で進呈する取り組みを行いましたが、募集からわずか2日で1万人に到達するなど反響が大きく、注目をしていただいていることを感じています。
また、「セルフホワイトニング ミッション」を使った感想をSNSに投稿してくださった方の中から抽選で5名様に現品をプレゼントする企画も合わせて行うことで、SNS上での盛り上がりを図っていきます。
店頭では、リーフレットを活用しハンドタッチでご紹介するほか、お顔で半顔ずつお試しいただき明るさの違いなどを実感いただく「美迫力体験」活動を行っていきます。
発売日以降は販促策として「セルフホワイトニング ミッション キャンペーン」を実施します。
本品をご購入いただいた方にフラルネのクレンジングと洗顔の大型サンプルのセットをプレゼントし、フラルネにもリレーションしてシナジー創出を狙っていきます。
商品づくりの想いを「美迫力」に凝縮
――「セルフホワイトニング ミッション」を今後どのように育成していきますか。
丸島 美白というカテゴリーは進化が目覚ましく商品も数多く投入されますので、コンスタントに商品を投入し続けていくことが重要です。
「角層美白」というアプローチの進化はもとより、根本的な部分であるメラニンケアの進化も同時並行で進め、新しさを搭載した形で進化を図っていきます。
――最後にメッセージをお願いします。
丸島 企画開発メンバーは、「美白は続かない」とか、「効果実感が薄い」といった生活者の方々の声を受け、通常の美白を超える美しさをイメージして商品をつくり上げた想いを「美迫力」という言葉に凝縮しました。
「セルフホワイトニング ミッション」では、「美に迫る力」「迫力のある明るさ・美しさ」を角層美白の進化により実現しましたが、改めて角層細胞が人の顔にどのぐらい存在しているのかを数えてもらったところ、平均で120万個も存在していることがわかりました。
この約120万個の角層細胞を味方につけ、ミラーボールのように細胞1個1個を光輝かせることで、一斉にスポットライトが当たったかのような、美白を超える迫力のある美に到達することができました。一人でも多くの方に「美迫力」を体感していただきたいです。
商品開発部 部長 丸島陽子氏
この記事は週刊粧業 2024年3月4日号 2ページ 掲載
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