JTSは、新たなスキンケア原料としてNK細胞培養液の取り扱いを開始する。
NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、免疫を担当する細胞として体内の異常細胞を攻撃し死滅させる働きがあり、肌の免疫を高める細胞として美容業界でも注目されている。
NK細胞培養液は皮膚修復に必要な約520種のサイトカインやエクソソームを含み、細胞遊走促進効果やMMP発現抑制効果、チロシナーゼ抑制効果が確認されている。GMP施設で製造し、品質管理を徹底することで高い品質を担保し、既に海外では約50社に採用されている。
NK細胞培養液の配合化粧品では、目もとのシワ改善や化学的・物理的刺激の鎮静、保湿、かゆみ改善効果が確認され、肌免疫を高める新規原料としての効果が期待できる。
近年、注目を集めているエクソソーム含有の化粧品原料では、植物由来の幹細胞培養液(Botanical Exssome Yuzu)の提案を強化する。Botanical Exssome Yuzuは、真皮中に存在する線維芽細胞が細胞外マトリックスの構成成分であるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の産生を促進し、皮膚の形状維持や弾力性を高める。また、抗酸化作用により紫外線による酸化ストレスや外的刺激から皮膚を守る。
トンガ産天然モズク由来のフコイダン「リムベール」には、膣内フローラを良好に保つ効果が新たに確認され、フェムケア製品に使用可能な原料として紹介を進める。
リムベール開発メーカーのタングルウッド社と福山大学による共同研究で、リムベールが女性の膣内に存在するデーデルライン桿菌(乳酸菌)の生育に影響を与えないことを実証した。
デーデルライン桿菌は、女性の膣に常在する善玉菌で、乳酸を産生することで膣内pHを弱酸性(pH4~5)に保ち、カンジダなど有害な菌類の増殖を防いで膣内環境を整える。
デリケートゾーンのケア製品では、悪玉菌だけでなく、善玉菌の生育も抑制する可能性がある成分の使用が懸念されている。今回の共同研究により、リムベールが乳酸菌に対して安全な成分であることが実証された。
この記事は週刊粧業 2024年6月3日号 13ページ 掲載
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