高級アルコール工業 川合清隆社長、化粧品原料応用技術研究の加速

週刊粧業 2024年6月3日号 9ページ

高級アルコール工業 川合清隆社長、化粧品原料応用技術研究の加速

 高級アルコール工業㈱は、植物由来のサステナブルな化粧品原料の応用技術研究を加速している。

 化粧品原料油剤を多品種製造販売しているため、顧客からの用途に合わせた要望が大変多い。そのため、応用技術研究の幅を広げた製造販売に注力している。

 特に、顧客から植物由来原料を用いた処方開発の要望が増え続けており、油剤単独や組み合わせの評価と技術情報だけでなく、化粧品処方としての性能評価や乳化特性などの技術紹介の要望も近年増加している。このため、応用技術の研究テーマはスキンケア、ヘアケア、メイクアップといった処方別の研究と、基礎研究の両面からアプローチしている。

 この処方研究の成果として、第1回日本化粧品技術者会 学術大会にて「ポリオキシエチレンエーテル型ノ二オン界面活性剤/水添ナタネ油アルコール系αゲルにおけるエステル油の添加効果およびスキンケア製剤への応用」としてポスター発表を行った。

 従来エステル油からみたαゲル製剤の検討は限定的であったこともあり、エステル油の使用方法と感触とを合わせて検討した例として、注目された。このような、エステル油の応用技術研究をさらに加速していく方針である。

 植物由来の各種化粧品原料の素材開発も継続して注力している。水添ナタネ油アルコール(アルコール NO.20-B)の乳化処方への応用、ラウリン酸イソアミル(KAK IAL-V)、ラウリン酸ヘキシル(KAK HL)など軽い感触の原料と、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル(リソカスタ ODSHS)のような中粘度の原料のコンビネーションで、植物由来原料で構成したヘアオイル、クレンジングオイルなどのオイル処方の紹介も進めている。

 シリコーン代替を目的とした処方開発や、植物由来のペースト状製品をリップ商品からヘアケア商品まで広く技術情報を充実させて紹介している。

 研究開発をさらに充実させるため、本社・研究所の建設も進めており、2025年完成を目標に今春から本格的な建設が始まっている。

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