クロバーコスメイク、小ロット生産の需要拡大で勝機

週刊粧業 2024年9月2日号 7ページ

カンタンに言うと

  • 効率化と品質向上の両立を推進
クロバーコスメイク、小ロット生産の需要拡大で勝機

 メークアップ化粧品のOEM事業を展開するクロバーコスメイクは、2023年度の上期(2023年1~6月)を底に、業績回復が進む。立岡泰昭社長は、「今年も5月以降、案件が次々と決まっている」と述べ、今期も堅調に推移する見通しだ。

 立岡社長は「受注件数はコロナ前の水準まで回復してきたが、当社が得意としているポイントメークを中心としたメークアップは、スキンケアに比べても、需要変動が激しいカテゴリーである。納期対応など柔軟に対応できる体制を強化して、新しい案件を増やしていく必要がある」と話す。

 受注案件を見ていくと、メークのトレンドについては、「コロナ前後でそれほど大きな変化は見られていない」という。

 「オーガニック・天然系の原料を用いたメークアップ処方の需要が高まっている。美容液成分配合など、かつては付加価値要素だったものも、一般的になり、プラスαの価値提案が必要になっている。スキンケアと同様、機能性の需要が高まっており、開発を強化している」(立岡社長)

 業績回復とともに、今期は人材の確保・育成にも注力している。立岡社長は、「今年から新卒採用も再開しているが、聞いていた以上に採用市場の厳しさを感じている。採用環境も付加価値化を推進して、選ばれる会社を目指していく」と話し、今後の事業戦略について語った。

 「メークアップのOEMは、多品種・少量生産が主で、人の手を必要とする工程も多い。そのため、スキンケアに比べて業務効率化が難しい一面もある。メークの製造に特化した化粧品工場で、3000前後の小ロット生産を得意としている会社はそれほど多くない。引き続き、効率化と品質向上の両立を推進し、業界内で存在価値を高めていきたい」(立岡社長)

 生産能力の増強に向けた投資の検討も進める。既に約500坪の工場用地を購入しており、市場動向を踏まえ、新工場の建設を計画していく。

 「海外も少しずつではあるが、直接取引による開拓を進めている。成長するアジア市場では、UVケアなど日本製への評価が高いアイテムで実績を積み上げていく。新工場では各種認証の取得も検討していく」(立岡社長)

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