アンズコーポレーションのODM事業は、アフターコロナのフェーズを迎え、美容液やリップクリームなどの受注が好調で売上を伸ばしている。2024年2月期はODM事業が前期比20%増で推移し、2期連続で2ケタ伸長を達成した。
山田昌良社長は、「ブランド横断的にスキンケアを選ぶ購買行動が広がり、スキンケアシリーズの中で核となるアイテムをつくることが重要になっている。美容液を中心に高機能スキンケアで処方開発の依頼が増えている」と好調の一因を述べ、今期(2025年2月)も増収を見込む。
「コンペ形式ではなく、単独でご提案させていただく機会も増え、一緒に開発に取り組む案件も増えている。提唱する『LTV型ODM』の推進で、マーケティング分析による付加価値提案を強化していく」(山田社長)
同社は、エビデンスに基づいたスキンケア処方の開発を推進している。特に、敏感肌処方やオイル製剤、バームなど固形化製剤で実績を積み上げている。特に、敏感肌処方は長年研究を進めており、「効果×安全性×使用感」を作り込む技術力を活かして提案を強化している。
また、化粧品の新たな価値創出を目指した研究開発・技術開発では、独自の3D皮膚モデルの開発に成功した。その3D皮膚モデルを基盤として、原料・処方の定量的かつ相対比較が可能な機能性評価技術を開発している。処方の高度化を進めるとともに、製品企画・コンセプトと一貫性のある処方開発を進め、ユーザーの期待に応える化粧品づくりを実現していく。山田社長は、「たしかな機能性を付与したスキンケア処方で、低迷する中価格帯市場の活性化に貢献していきたい」と意気込む。
ベンチマーク品と機能性の相対評価も可能で、社内意思決定のスピードアップやマーケティング・販促に役立つ情報開発などもサポートしていく。
また、クリーンビューティに対応する処方開発も進めており、「サステナブルな企画・コンセプトにも柔軟に対応可能な体制を整えていく」と話した。
奈良工場と富田林工場の2つの生産拠点でも、環境への取り組みを推進している。直近では、新たに環境配慮型包材の特殊な充填機を導入している。
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この記事は週刊粧業 2024年9月2日号 8ページ 掲載
■特集/化粧品OEM(後編)~柔軟性と独自性で競争力を向上◎フェイスラボ~国内は提案力の研鑽で成長軌道へ、海外はサプリを突破口に市場開拓◎RAPHAS JAPAN(ラパスジャパン)~好調な受注を受けて生産ラインを増強、9月より福岡で商品開発室が本格始動◎エア・ウォーター・リアライズ~パウチ充填ラインを増設へ、5ライン体制で対応力強化◎近代化学~育毛作用が認められた独自原料、「IG-Ex」配合...
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