ホルス(三井幸雄代表取締役)はグループとして化粧品・健康食品の原料開発、OEM、消費者向け販売を手掛け、独自原料の開発と新市場の開拓に取り組んでいる。
2024年4月には化粧品原料「サイタイ血幹細胞エクソソーム」を新たに上市した。ヒトの中で最も若い細胞であるサイタイ(へその緒)血由来の幹細胞を培養して得た上清液を使用しており、上清液中に含まれる「ヒトサイタイ血由来幹細胞エクソソーム」を確認することで、表示名称中に「エクソソーム」の表記を可能にした。
原料中に含まれるエクソソームは、幹細胞から自然に分泌されたままの安定した状態を保っている。細胞にとって最適な状態で作用することで、高いエイジングケア効果が期待できるという。
また、同原料中の成分「ヒトサイタイ血幹細胞順化培養液」は、表示名称およびINCIを世界で初めて取得しており、「サイタイ血幹細胞エクソソーム」とともに記載することで、「幹細胞」と「エクソソーム」という2つの特徴を同時に訴求することが可能だ。高いエイジングケア作用が期待できるため、主に美容液などへの提案を行っていく。
一方、近年男女を問わずヘアケアの悩みが増えている。ヘアケアの悩みの原因は、遺伝や性別など人によってさまざまであり、効果的なアプローチも異なっている。
同社のヘアケア原料である「毛根幹細胞培養液」は、日本人由来の毛根幹細胞を培養して得られる上清液である。毛周期と呼ばれる毛髪サイクルのうち、成長期だけでなく退行期や休止期にもアプローチが可能なため、毛髪の成長はもちろん、毛髪サイクルの正常化も期待できる。
また、新規で表示名称「ヒト毛根幹細胞順化培養液」とINCIを取得した世界初原料としての訴求が可能だ。
さらに、毛細血管に作用して毛母細胞へ酸素や栄養素を届ける効果を持つ「ピディオキシジル」や、毛母細胞の分裂や増殖を促進し、毛髪の成長を促す「KGF」など、その他の同社オリジナル原料と掛け合わせることで、多角的なアプローチが可能となり、相乗効果が期待できる。
この他にも、健康食品への配合も可能な原料として、「PUAエクソソーム」も取り揃えている。馬由来の胎盤・臍帯・羊膜から有用成分を同時抽出した同原料は、原料1g中におけるエクソソーム数「2180億個以上」を保証値として設定することで、最終製品においてエクソソーム数の訴求を可能にした。また、原材料表示には「エクソソーム含有」という文言も記載することができ、訴求力が高まった。
今後も幹細胞やエクソソームを軸に、「細胞の老化」にアプローチできるような原料開発に力を入れていく。
この記事は週刊粧業 2024年9月23日号 6ページ 掲載
■特集/幹細胞コスメ(OEM・原料)~由来・濃度訴求の市場から脱皮へ◎セントラル・コーポレーション~豊富なエクソソーム含有量を誇る国産の「臍帯血由来」エクソソームで差別化を◎ホルス~エクソソームの需要の高まりに対応、ヘアケアは多角的アプローチを重視◎アンチエイジング~老化抑制が期待できる原料を提案、医療機関向けの原料供給も開始◎NISSHA~幹細胞培養液もニードルで角層まで浸透、専門原料会社...
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