共同印刷、ロジスマートで販促物を一貫管理

　共同印刷は販促物の入出庫手配の効率化・在庫を一貫管理するクラウド型受発注システム「LOGISMART」（以下、ロジスマート）を提案している。メーカーや販社の本部と支店・営業所との間で販促物の受発注や在庫確認、配送の手配などの業務が煩雑でミスが発生することから、改善の余地があることに着目した。

　ロジスマートによって一連の業務を簡素化し、販促物の在庫がない場合は迅速に製造を依頼し、クライアントが想定した納期に対応する。美容健康機器メーカーや日用品メーカーの業務用事業部も採用している。システムの認知度を高め、幅広い業種への提案を進める。

　プロモーションメディア事業部企画開発課の髙梨英明課長は、「医薬部外品および化粧品の製造免許をもつグループ会社である共同物流と連携し、化粧品・医薬品メーカーへも積極的に提案していきたい」と語る。共同物流は化粧品メーカーのセット作業を受託している。化粧品・医薬品メーカーに対し、販促物に限らず製品も含めたセット作業の提案にも取り組む。

　ロジスマートは販促資材の印刷物、什器のほか、製品を含め倉庫に保管しているものの効率的な管理と的確な配送の指示を行う。システム開発を行うITソリューション部とプロモーションメディア事業部が連携して、クライアントの要望を確認し、機能の追加やシステムの改修を行い、利便性を向上させている。

　元々は帳票類やパンフレット、販促物など多様な資材を抱える保険業界の要望を受けて、2012年に開発した。当時の状況について、企画開発課の渡邉一崇氏は次のように説明する。

 「パンフレットやノベルティなど大量の資材を携えて活動している保険会社の営業の方々に、個別に必要なものをきちんと届けるための作業はかなり煩雑だった。保険会社はペーパー類、資材が多く、営業所の数も多い。個々の必要なものの情報を収集し、発注するという作業をエクセルの入力などで対応していたが、これをすべてシステムを使って効率化できないかという背景があった。システムによって効率的に受発注、在庫管理、そして配送を指示していくことをねらった」

　ロジスマートは倉庫にあるものの配送を指示するシステムで、販促物のほか、製品、什器など、様々なものに対応する。システムは共同印刷の物流機能と連携したフルフィルメント型とシステムだけのクラウド型ASPサービス利用の2つのパターンがあり、ランニングコストが異なる。フルフィルメント型は共同物流や協力会社のWMS（倉庫管理システム）を組み合わせて活用する。

　「我々としては販促物だけでなく、様々なものに活用していきたいという思いがある」（渡邉氏）

　現在、保険会社のほか、金融、食品メーカー、物流会社、不動産管理、情報通信、美容健康機器メーカー、日用品の業務用事業などが導入している。

　「導入後、アナログ管理が減り、依頼も承認も簡単にできるようになり手間が少なくなって作業ミスが軽減されたという声をいただいている。また在庫しているアイテムが業者によって分かれ、モノによっては保管している倉庫も異なるケースもあるが、ロジスマートひとつで簡単に管理できる」（同）

　業務フローは注文者、アイテム管理者、物流担当の三者が介在する。システムを導入した企業の社員がアカウントを付与されたパソコンで注文し、そのデータがアイテム管理者に伝わる。それをアイテム管理者が承認し、物流の担当者にデータが届く。それに基づいて、物流の現場で効率的にピッキングし、発送の手配を行う。

　また製造依頼の場合も同じくパソコンで注文し、アイテム管理者に製造依頼の情報が伝わり、承認することによって印刷物の製造であれば印刷会社に情報が伝わり、印刷会社が製造して倉庫に納品あるいは直納という流れになる。