【週刊粧業2018年8月20日号4面にて掲載】 もともと私は広告制作業務側の人間だが、最近は化粧品開発もお手伝いしているので、ついついモノづくりの視点で企業を見ることが多くなっている。そんな中で、ある化粧品会社の開発担当の方とお話していた時に、「究極のところ化粧品無用論に行き着いてしまうかも?」という話題になってしまった。 論点はこんなところだ。「私たち人間は生まれたばかりの赤ちゃんの時の肌...
【週刊粧業2018年6月11日号16面にて掲載】 最近中国の若手経営者組織の冊子に寄稿を依頼され、日本でビジネスをしている中国人や、中国通の人々と親しくなった。その中の1人が20年来中国を研究している日本人女性ジャーナリストで、多くの中国関連書籍を執筆している。彼女が「中国関連は変化のスピードが速く、本を執筆しても次々に内容が古くなってしまう」と嘆いていた。 我々も中国からの旅行者を身近に見...
【週刊粧業2018年4月30日号10面にて掲載】 我が社の事務所がある東京・銀座は今「アート」気分で盛り上がっている。 そもそものキッカケは、昨年4月に森ビルとJ.フロントリテイリングがオープンさせた「ギンザ シックス」だ。能楽堂を擁し、草間弥生のアート、森美術館の知見があらゆるところに生かされている。そして今年は、ダニエル・ビュレンのストライプ。少し離れた日比谷には、今年「東京ミッドタウン...
【週刊粧業2018年2月26日号20面にて掲載】 弊社は通販化粧品の広告制作をメイン業務としている会社なのだが、化粧品の広告づくりは訴求ポイントと密接に関わるので、最近は商品企画から関わらせていただくことが多くなった。そのため、お客様の「ペルソナ」の設定から「肌質タイプ」や「肌悩み」の予測、成分の選定に至るまで意見を求められることもある。 その後はひたすら処方研究の専門家たちからサンプルが届...
【週刊粧業2018年1月29日号10面にて掲載】 私は通販化粧品会社から仕事を依頼されると、必ずといってよい程コールセンターのスタッフに「自社の化粧品を使っていますか?」と訊ねることにしている。なぜなら、自社製品の愛用者が多いコールセンターほど活気があって売り上げも好調だからだ。 中には、「競合の製品を使って比較し、自社製品の特徴を話せるようにしている」「休日にはデパートのカウンターで美容部...
【週刊粧業2017年12月4日号5面にて掲載】 弊社ではグループインタビューや顧客イベントを企画することが多いが、つくづく化粧品会社からの情報がきちんとお客様に伝わっていないと思う。 特に驚くことが、メーカーからの推奨使用量や使用方法がお客様にまったく浸透していないことだ。長年愛用してくださっているお客様でも、メーカーが推奨する使用量や使用方法をきちんと守っている人はごく少数である。 もちろ...
【週刊粧業2017年10月16日号6面にて掲載】 日本は世界で一番早く超高齢化を迎えるらしい。2015年時点でほぼ2人に1人が50歳以上になり、2030年ではさらに比率が高くなる。 化粧人口(15歳から79歳までの女性人口)が減り続ける中、50歳以上の割合はますます拡大するばかりだ。そのためアンチエイジング化粧品市場は伸びており、2015年度のスキンケア市場構成比の約30%がアンチエイジング...
【週刊粧業2017年9月4日号13面にて掲載】 最近立て続けに、幾つかのブランドで愛用者のグループインタビューを行った。しかも5年、10年と長く愛用しているロイヤルユーザーばかり。中には30年来の愛用者だとおっしゃるお客様まで出席してくれた。じっくりお話を伺っていると、長い間愛用し続けてくれる理由に共通項があると気づかされた。 さすがに30年来の愛用者ともなると、製品は何度かのリニューアルを...
【週刊粧業2017年7月17日号14面にて掲載】 最近の化粧品は素材や効果・効能ばかりが強くクローズアップされ過ぎていると思う。素材や原材料へのこだわりは大前提であり、大切なことだが、化粧品は「きれいになる」という夢を叶えるものだから、もう少し「楽しみ」があってもいいのではないか。そもそも化粧品は使ってもらわなければ完成品とは言えない。使用して「キレイになってもらう」ことがゴールの商品だ。だ...
【週刊粧業2017年6月5日号4面にて掲載】 スキンケアからメイクまで『時短もの』が流行っている。とにかく今の女性たちは「忙しい」。『時短』は仕事だけではなく、家事から、食事から、日常生活の全てにおいてブームになっているようだ。もっともこれは今に始まったことではなく、私を含む中高年世代も、一日中家事に忙殺されていた親の世代に比較したら、なんと『時短』の恩恵を受けていることか。 そして徹底的に...
【週刊粧業2017年5月15日号6面にて掲載】 4月20日にGINZA SIX(ギンザ シックス)がオープンした。新しいものはすぐ見たいというミーハー心で行ってみたら、ミーハーなのは私だけではないと思い知らされた。 銀座最大規模の複合施設なので当然だが、中高年から、小さな子供連れ夫婦、若いOLたちまで、大人の男女が『フル世代』で物見遊山のように来店していた。皆スマホを片手に写真を撮りまくって...
【週刊粧業2017年2月13日号10面にて掲載】 ヘアケア市場は昔から大きなマーケットだが、中でも最近、特に女性用育毛剤の伸びが目立ってきた。 前にも紹介したが、あるメーカーが50~60代の女性を対象に、自分自身の外見や女友達の外見に関する意識調査をした結果、「女友達の外見や見た目でチェックしている箇所は?」という質問で最も多かった回答は「服装」、2位が「体型」だった。そして、4位の「化粧・...
【週刊粧業2017年1月16日号12面にて掲載】 化粧品会社の販売促進支援をしてきて今年で35年目になる。店頭販売、訪問販売、ネットワーク販売、サロン販売等様々な業態のお手伝いをしてきた。 最近20年ほどは通販化粧品のお手伝いが多くなっている。化粧品ビジネスも様々に変化してきているが、通販化粧品の分野は特にこの20年間に大きく様変わりしてきた。マス媒体が大きく牽引した時期もあり、ニッチ市場を...
【週刊粧業2016年8月29日号16面にて掲載】 最近、グループインタビューやイベントで会うお客様の話を聞いていると、化粧品の選び方がこれまでとは少し変わってきているように感じる。それは購入理由が著しく明確になってきていることだ。 例えば「目の横の濃いシミをなくしたい」「法令線を目立たなくしたい」など、悩みの内容がお肌の部位まで明確になっており、おまけに「半年後までに」「同窓会までに」と期限...
【週刊粧業2016年5月6日号6面にて掲載】 久々にお客様のグループインタビューを行った。しかも様々な化粧品会社のお客様に集まってもらったので、多くの人からヒアリングすることができた。参加者の共通項目は、中高年世代であること、一度は通信販売で化粧品を買ったことがある人。そこで幾つかの特徴的な傾向が分かった。 1つ目はこの世代の通販化粧品のお客様は、いろいろな会社の化粧品をよく知っているという...
【週刊粧業2016年3月7日号5面にて掲載】 私はどんな化粧品を使用しても、めったに肌あれしたという経験がない。そのため若い頃から「自分は健康な肌だ!」と思い込んできた。 ところが最近は老化が深刻になってきたということもあり、合うものとそうでないものがはっきりしてきた。そのように感じ始めると、「合うもの」に対する基準が途端に厳しくなって、なかなか自分に対する「イチオシ」製品が決まらない。 ど...
【週刊粧業2015年11月2日号5面にて掲載】 最近あるメーカーのお客様調査の結果を見て驚いた。 50~60歳代のお客様に、同世代の女友達の外見でチェックするところはどこか? という問いに対して、1位は服装、2位は体型、3位は髪の毛(白髪、ボリュームダウン、髪質、ヘアスタイル)、4位は化粧・スキンケアという結果が出たということだった。 最近様々なヘアケア製品を目にすることが多くなったが、お客...
【週刊粧業2015年8月24日号15面にて掲載】 最近我が国の夏はとても暑い。そう感じるのは私だけだろうか? そんな中、山形の理容室からスタートした「冷やしシャンプー」が話題になっていると聞いた。いまや日本一暑い埼玉県熊谷市や、その他の地域にも飛び火しているという。これまで化粧品業界はファッション業界と異なって、季節感の取り入れ方がやや穏やか過ぎると思っていたが、こんな商品も出てくると面白い...
【週刊粧業2015年7月20日号6面にて掲載】 我が社では広告制作のお手伝いをさせていただく時は、必ず全社員でお得意先様の化粧品を試用させていただくことにしている。これは33年前の創業時から変わらないルールにしている。そのため私自身も全部のお得意先様の製品は、必ず一度は試用させていただいている。 もちろんお取引がスタートして実際に広告制作を担当させていただく社員は、よほど「肌に合わない」等の...
【週刊粧業2015年4月13日号4面にて掲載】 ここ30年来化粧品の仕事に携わってきて思うことは、化粧品ブランドに対する女性たちの意識が大きく変化したことである。その原因は通販が一般化して多くの化粧品メーカーが登場し、購入ルートがいくつもできたことや、定価販売しない店舗が出てきたことなどがあげられる。 また美容雑誌ではコスメライターが化粧品に関する情報を詳しく語っているし、ネットではクリック...
【週刊粧業2015年3月16日号5面にて掲載】 ある通販化粧品会社様のためにお客様座談会を開いた時のこと、50代のお客様から「毎日使っているのにしっとりしないし、ツヤも出ない。広告に書いてあるような効果は全然ない」とお叱りを受けた。そこで、よくよく話を聞いてみると、会社が推奨する使用量と使用方法をまったく無視して使っていることが分かった。 会社側は「化粧水は2プッシュでコットン使い」を推奨し...
【週刊粧業2015年2月16日号4面にて掲載】 最近、若い世代を中心にまつ毛や唇などの『パーツケア』が話題になっている。しかし私の本音を言えば、シニア世代にこそ『パーツケア』が必要なのではないかと思う。シニア世代になると若い頃には思いもしなかった変化が、カラダの様々なパーツ部分に現れるからだ。 スカルプケアに代表されるヘアケアは、多くのシニア世代の女性が抱える悩みの一つ。加齢とともに髪の毛1...
【週刊粧業2015年1月12日号4面にて掲載】 最近ニュースで、香港の学生たちが道路に座り込み、反政府デモをしているのを見た。座り込みは何か月も続いたようだ。抗議活動家たちはインターネットを利用して、多くの参加者を動員させたとのこと。 世の中はつくづく「参加型」の社会になったと感じる。政府や企業の情報はインターネット上でつぶさに閲覧できるし、ブ...
【週刊粧業2014年11月24日号4面にて掲載】 かつて化粧品業界で「制度品メーカー」という言葉が通じた頃、そう呼ばれる大手化粧品メーカーのマーケティング担当者から、「シーズンごとのキャンペーンでの売上高は、上位3社で比率が決まっていますからね」と言われたことがある。 私ははじめ「?」と、意味が解らなかった。彼が言わんとしていたことは、「店頭販...
ここ数年、雨後の筍のごとく増えた通販化粧品への新規参入も、ようやくひと段落した。既存の販売ルートがなくても参入が可能なだけに、他業種大手から小さなメーカーまで、実に多種多様な分野からの参入があり、通販化粧品は今や飽和状態だ。マーケットは本格的な成熟期に突入し、「本物」だけが生き残るサバイバル時代が始まりつつある。 そんな中、せっかく立ち上げたブランドが伸び悩み、業績...
今年4月、ついに消費税率が8%へと引き上がった。増税を前にした3月、わが社もカタログの価格表記差し替えなどの対応に追われた。化粧品業界では駆け込み需要が予想を大きく上回り、メーカー各社の3月の業績を押し上げ、大手では、特に中価格帯から高価格帯商品が高い伸びを示し、3月下旬からは前年の2倍ほどの売上となったところもある。 化粧品はそもそも定期的に安定購入されるものであり、駆け込み需要はそれほ...
ここ最近、大型ブランドをはじめ、さまざまな会社のリニューアルが続いている。 新発売とは異なり、既存顧客が存在するリニューアルは一つ間違えれば、新規顧客の獲得はもとより、既存顧客まで失うことにもなりかねない。 リニューアルを成功に導く鍵は何か? あらためて考えてみた。重要なポイントは5つあると思う。 まず一つ目は、リニュ...
最近、『化粧品メーカーの情報発信力』について、改めて考えることが多くなった。 理由は、化粧品ビジネスは本来、女性を「キレイにする」「美しくみせる」という夢を売るビジネスであったはずだが、近年、その情報発信力が薄れたのではないかと感じることが多くなったからだ。 背景のひとつには、様々な異業種からの新規参入が相次いだことによる「化粧品の同質化」が...
最近、元気な70代の大先輩たちによく出会うようになった。 まず、化粧品業界では知らない人はいない大物経営者。最近会長職に復帰されたばかりで毎日のようにメディアにも登場している。76歳とお聞きしたが、一時期より若返ったのではないかとさえ思える。 女性たちも、私の周りでは70代が大活躍している。個人的な友人知人の先輩たちも、たとえば毎月ヘアメイク...
先日ある得意先で通販カタログの撮影現場に立ち会い、何とも活気に満ちた懐かしい時間を過ごした。 クリエイター出身であるその会社の会長様が、撮影現場でいろいろとリーダーシップを発揮してくださったのだ。次々に新しいアイデアが飛び出し、スタッフはてんやわんやだったが、現場で発揮されるパワフルな「クリエイティブ力」を目の当たりにし、ものづくりの本来あるべき良き時代の姿を思い出...
鯉渕登志子
(株)フォー・レディー代表取締役
1982年㈱フォー・レディーを設立。大手メーカーの業態開発や通販MD企画のほか販促物制作などを手がける。これまでかかわった企業は50社余。女性ターゲットに徹する強いポリシーで、コンセプトづくりから具体的なクリエイティブ作業を行っている。特に通販ではブランディングをあわせて表現する手腕に定評がある。日本通信販売協会など講演実績多数。
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