吉田硝子では、2010年のガラス容器業界について 「化粧ビンに関し、厳しい状況が続いており、半人口ビン、自動ビンに関わらず出荷ベースで年々減少傾向にある」 とみている。
大手メーカーを始め業界は環境を意識しつつも、企業側は単価や流通経費を低く抑え利益確保も考えながら、消費者に対しては、高品質、安全、価格以上の価値を感じられる商品作りに取り組んでおり、それが結果として価格競争につながっているという。一方、ガラス代替としてプラスチック容器は引き続き拡大傾向にある。
同社でも同様にプラスチック容器の売上構成比が年々高まっている。プラスチック容器の主力商品としては 「一般規格品の場合は、基本的に、丸型形状が長期安全で飽きず使用頻度も非常に高い」 (唐木茂行常務取締役)。
特に、 丸型のPIシリーズが安定した需要がある。 また、 KNRシリーズの240mL以下の容器も比較的安価な商品として人気が出ている。 一方、 ガラス容器では、 Yシリーズの100mL、120mLが断然人気だ。
また、 流れるような美しいラインで、 手に持ちやすいガラス瓶の新シリーズY-30FL/100FL/120FLも 「順調に販売数も増えている。 来期楽しみなビン型だ」 (同氏)。
来年の新容器の開発に向けては、スタンダードなデザインの丸型、 角型、変形の順に、一部変化させ基本を保持するという考え方をもとに、企画開発に取り組んでいる。
ここ直近では、角の部分に柔らかみのあるニュアンスを持たせたデザインのYKシリーズより、120mL~200mLまでの4種を発売し引き合いが増えている。
さらに来期はヘアケア用の250mL、300mLを追加し、シリーズの充実を図るという。また、PET容器で円錐状のボトルシリーズも企画している。容器だけでなく加飾についても、局面印刷技術を導入し、デザイン性の付与や他容器との差別化を図っている。
「新商品の発売サイクルが短期化し、すぐに新しい容器を要求されるようになってきている。国内景気は来期も引き続き厳しい状況が予想され、小ロット、同業者間の取引対応が迅速スピーディに出来る商品の企画開発が急務だ」 (同氏)
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この記事は週刊粧業 掲載
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