商品投入相次ぐオールインワンジェル(オールインワンゲル)市場を調査・分析

カンタンに言うと

商品投入相次ぐオールインワンジェル(オールインワンゲル)市場を調査・分析

 このたび、株式会社ソフィアリンクスでは、新商品の投入が相次ぐオールインワンジェル(オールインワンゲル、オールインワン化粧品)の市場について調査・分析を行った。調査対象には、インターネット検索でヒット数が多く、比較サイトでも多数取り上げられている16社16アイテムを選定している。分析レポートは切り口を変えて前編・後編の2回に分けてお届けする。

 第1回目となる今回は、異業種参入が相次ぐ化粧品業界において、オールインワンジェル市場も同様に化粧品事業を主としない異業種企業からの商品投入が相次いでいることに着目し、「商品価格」と「販売元の異業種分野」という切り口で分析を行った。

 カテゴリー分類は、まず化粧品主体企業をグループAとし、各種異業種企業を、「製薬系=グループB」「食品・健食系=グループC」「その他=グループD」の3タイプに分類し、併せて4つのカテゴリーに分けて分析を進めた。

 調査対象となった16アイテムの内訳は、化粧品主体企業の7に対して異業種企業は9となっており、異業種企業の商品投入が目立っている。グループBでは、ここ数年で急成長を遂げメディア露出も多い新日本製薬の「ラフィネパーフェクトワン」やドクタープログラムの「トリニティーライン ジェルクリームプレミアム」などが入っている。

 グループCには、青汁で有名なキューサイから「コラリッチ スーパーオールインワン美容ジェルクリーム」、グループDでは、ていねい通販から「SPプレミアムコラーゲンゲル」などの商品が投入されており、いずれもインフォマーシャルなどメディアを通じて積極的なプロモーションがなされている。

 化粧品主体のグループAでは、オールインワンジェルの草分け的存在の「ドクターシーラボ 薬用アクアコラーゲンゲル」の他、カネボウ化粧品から「フレッシェル ホワイトC アクアモイスチャージェルWT」などが投入されている。

 「商品価格」の分類については、商品によって内容量が異なるため、商品価格と容量から1gあたりの価格(以下、「グラム単価」と表記)を算出。グラム単価30円未満を「低価格帯」、60円以上を「高価格帯」、中間に位置する30円以上60円未満を「中価格帯」と定義し、マッピングを行った。

 グラム単価最高値のアイテムは、グループAのビビッド・ワン「海のブレア Wモイスチャー」とグループDのていねい通販「SPプレミアムコラーゲン ゲル」で、共に96円となっている。

 一方で最安値は、グループBのロート製薬「肌研極潤パーフェクトゲル」で19円(詰替商品の場合、更に安くなる)となっており、グラム単価には4倍以上の開きがある。

 製薬会社が販売する化粧品として知名度が高く、若年層を中心に支持されている「肌研」ブランドが展開する低価格オールインワンジェルについては、今後どの程度まで幅広い年齢層をカバーすることになるのか動向を注目したい。

 また、グループDでは教育事業を主体とするベネッセコーポレーションが自社通販モールで展開している「オールインワンジェルリッチモイスト」がグラム単価21円となっており、求めやすい低価格戦略をとっていることが伺える。

 中価格帯は16アイテム中4アイテムと少なく、オールインワンジェル市場においても価格の2極化傾向が認められる。今後も新製品の投入が続くことが予測されるオールインワンジェル市場において、一段と差別化が難しくなる中、価格帯以外の差別化ポイントをどこに見出すかが販売戦略のカギとなる。

 なお、前編の資料は https://www.syogyo.jp/info/2012/02/post_003067.php にてPDFデータを無料ダウンロードできます。

 〈後編概要〉

 消費者が化粧品に求めるものは、その化粧品を使うことにとって得られる課題解決の実感である。安い商品は消費者が興味を示すものの、ただ安いだけでは購入につながりにくい。消費者が化粧品を選ぶ際に重視するのは商品価格だけでなく、化粧品アイテムそのものの機能や効果であり、価格と機能・効果のバランスに納得がいった商品を購入する。

 オールインワンジェルアイテムはその名前の通り化粧水、美容液、乳液、クリーム、化粧下地など、複数のアイテムが持つそれぞれの機能を1つに集約している。各社のアイテムを分析すると、これら5つの機能が含まれるとする“基本形”だけではなく、美白効果などスペシャルケア効果があるもの、「パック」の効果があるとするものまで各社の商品コンセプトは実に様々である。

 「美白効果」の訴求にはブライトニング成分、「エイジングケア効果」の訴求には多数の保湿有効成分など、配合成分とその訴求は重要な差別化ポイントとなっており、他社商品との差別化のため各社Webサイトや販促ツールを用いてその特徴を消費者にわかりやすく訴求している。

 また、配合される成分は製造原価、ひいては価格設定にも関連する。そこで、後篇では今回算出した「グラム単価」と1アイテムで何役を果たすかという「機能数」を切り口にそれらがどのような関係になっているかを分析し、さらに配合されている成分との関係についても見ていく。

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●化粧品マーケティング情報 http://www.syogyo.jp/info/

logo[1].gifのサムネイル画像●執筆者:株式会社週刊粧業 顧問 三原誠史
株式会社ソフィアリンクス代表取締役
大阪芸術大学講師
1963年生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒
大手家電メーカーの戦略デザイン室にてシングル家電シリーズのデザインプロデュースを行う。その後、大手出版社を経て独自のブランディングプロデュース事業を開始。
化粧品メーカーの新商品開発、ブランド開発、プロモーション、戦略構築など多数手がける。最近では化粧品メーカーの中国市場の進出支援事業も積極的に行っている。
〈Webサイト〉http://www.sophialinks.com/
〈お問い合わせ〉mihara@sophialinks.com

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