近所に住む児童へ化粧品づくりを体験してもらうことで、夏休みの自由研究を後方支援――。容器提案とOEMの両軸から化粧品事業を展開しているケイズ(本社=石川県金沢市)はこのほど、本社拠点の近隣に住む子供たちを対象にした化粧品製造の「体験実習会」を開催し、参加した小学生らへ未知なる製品の成り立ちを知ってもらうとともに、「研究開発員のマンツーマン指導」(同社)を通じた学校とは趣が異なる学びの提供で小さな地域貢献を果たした。
同会は2011年夏の角嶋一幸社長による発案が実施の端緒で、好評を受け、2回目となった今回も町内の回覧板と掲示板を使って告知・募集を行ったところ小学校高学年の計6人が“受講生”として参集した。総勢は1回目と同数だった一方、女の子ばかりが揃った初回に対し今回は男女比が半々になった点が2年目の変化だった。連続参加を希望する熱血生徒を制し、「1人で多く公平な機会提供を」(同)という視点から初参加者の挙手を優先した。
当日の実習時間は13時から16時までの3時間という本格派で、実地体験はスライムづくりとシャンプーづくりの2部構成としたほか、座学にあたる時間では「菌のお話」を取り上げて善玉と悪玉の両面から“菌というもの”を知ってもらうよう試みた。製造体験では子供らの自主性を喚起する演出もあり、香りづけと色づけを自分の創意に委ねたところ、「イメージと実際の違いに『難しい』と声をあげる子供さんが多かった」(同)という。
一部の参加生は自身が作ったシャンプーに格段の付加価値を見出したらしく、「もったいない」として実使用を拒んだ生徒のお母さんは「『一緒に使おうね』と促したという報告があった」(同)といい、同社はエピソードの披露を実習会の実行意義に置き換えた。
この記事は週刊粧業 2012年9月17日号 16ページ 掲載
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