化粧品原材料ディーラー大手の岩瀬コスファ(本社=大阪市)は、CITE Japan 2013で新規性に富んだ2種類の抗菌素材を初披露し、新しい防腐剤フリー処方を求めるメーカーの要望に応えることで売上増大に貢献する構えを鮮明にしている。
既存型の防腐剤がさまざまな長所と短所を持ち合わせている実情を見据え、化粧品開発展に照準をあてて溜め込んだ研究開発の力を一気に放出する格好といえそうだ。さらに、表記「乾燥による小じわ――」に対応する保湿剤のほか、今年から店頭を賑わす新基準「PA++++」に焦点をあてた原材料もあり、当ブースは必見の構成となっている。
抗菌性アミド型界面活性剤
真菌類に突出した働き特徴
岩瀬コスファは第6回「CITE Japan」における出展メニューの目玉として、新規の抗菌性アミド型界面活性剤(アミノプロパンジオール誘導体、C01ML―BG、開発品、製造会社=ダイセル)を発表する。
「C01ML―BG」は界面活性剤でありながら、同社がさまざまな試験を重ねていくなかで「従来型の防腐剤と同様に細菌類にも効くが、特に真菌類のカビと酵母に非常に高い抗菌性を発揮する」(営業本部研究開発部)ことを確認している。
開発に力を込めた背景について、開発部の見坊行広部長は「パラベンやその代替品など防腐剤は多くの種類がある。ただ、なかなか完璧といえるものが無い」と問題提起したうえで、具体性を交え「フェノキシエタノールやジオール系など、それぞれ長所と短所を併せ持っている」と述べ、そこへくさびを打てる抗菌剤が「C01ML―BG」だと説明している。
同原材料は洗浄剤の泡立ち改善作用に加え、低濃度で抗菌性を示す特性がある。「C01ML―BG」5%(Activeとして1%)で抗菌効果を示すことから、防腐剤フリー処方への応用が可能となる。
また、メインテーマ「抗菌」にはさらにもう1本の柱がある。
植物由来の抗菌性保湿剤「LOCOS」(ロコス、韓国MJCNM社製)の発表を通じ、メーカーと末端へ高レベルで安心安全を実現した化粧品の提案を行う。
蓮の葉と梅果実のエキスを組み合わせたものがベースになっている「LOCOS」は、亜臨界抽出技術で高い抗菌性の実現に寄与している。
そうして得た成分に発酵過程を加えたことで臭いを取り除いたほか、肝心な特徴として細菌・真菌に対し非常に高い抗菌力を発揮することを実現している。
既にひと足早く韓国には「LOCOS」を活用した製剤があり、有用性の裏づけを備えた形で日本向けの品質改良を経てCITE Japanで初披露目となる。
愛用者に響かせる新効能と
話題のUV新基準にも一手
さらに、同社は化粧品メーカーに大きな福音となった新しい効能効果の活用と、UV新基準への対応でも積極的な提案を用意している。
まず、厚労省の薬事改正で2011年から加わった新効能「乾燥による小じわを目立たなくする」に向け、メーカーが繰り出すキャッチコピーに相応しい新規の原材料を提案する。
「乾燥――」を標榜するうえで膨大なコストをかけづらいメーカーにまで対応の幅を広げ、既に裏づけが十分な「ゼメアセレクトプロパンジオール」や「コスアルテ2G」などを推奨して製品化に貢献する準備を整えた。
見坊部長はこの部分の展示内容について、「試験効果のあるエキス類と有効成分で保湿剤をベースに組み上げている。良いお手伝いができると思う」と述べ、本展で自負できるメニューの1つに位置づけている。
一般顧客にも浸透した「乾燥――」の手伝いを加速させる一方、2013年から紫外線防止効果測定法基準の改定で関心が集中した新基準「PA++++」でも、同社らしさに富んだ展示内容を行っている。
岩瀬コスファが他社に差異化できる商材として取り組む酸化チタンや酸化亜鉛のほか、紫外線吸収剤などをバランスに配慮して組み合わせた商材により、新基準「PA++++」の周辺にいっそうの賑わいを起こせるものと見ている。
このほか、本展示会で同社は従来に増して強固にした原料メーカーとの関係性や協調力をブースの造作でアピールする。
原材料を単体で訴求するのではなく、「各原料メーカーさんと当社研究開発部の間でコラボレーションし、処方開発やデータの取得でお客様への提案をさらにワンランク充実させる」(見坊部長)といい、その狙いを可視化したというブースの演出は要注目といえる。
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この記事は週刊粧業 2013年5月13日号 8ページ 掲載
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