◎2013年化粧品流通別出荷実績
「PA++++」導入による効果で明暗
制度品が成長率回復させる一方、訪・通販が苦戦
経済産業省が集計している2013年の化粧品出荷実績は、1~10月までの累計で、金額が1・2%増と前年同期をやや上回るペースで推移している。ここまでは近年になく堅調な動きを示しており、11月以降も概ね堅調に推移していると伝えられていることから、最終的には前年実績はオーバーしそうだ。
1~10月の金額増加分は、140億5600万円だが、そのうち過半(54・9%)にあたる77億1600万円の増加に寄与したのは「日やけ止め及び日やけ化粧品」となっている。つまり、2013年の金額増加分のうち、半分以上は業界全体で取り組んだ「PA++++(フォープラス)」によるところが大きかったと言えそうだ。
【表】過去5年間の化粧品の流通別出荷推移(2009年~2013年予測)
流通別(制度品、一般品、訪・通販品、その他)の金額、成長率、構成比
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◎2013年化粧品関連新製品発売動向
アベノミクス効果で単価下落傾向に歯止め
サンケア新基準導入でUVケアが活性化
2013年化粧品関連の新製品発売個数(新色、改良品、限定品含む、11月30日付粧業日報発表分まで)は、355個少ない2733個、平均単価は647円上がって4751円となった。
2013年の化粧品市場を振り返ると、アベノミクス効果が株価や為替相場に現れ始めた春先から、高額の化粧品や、これまでシェアを減らし続けていた中価格帯の化粧品が売れ始め、ここ数年、低価格帯の化粧品へのシェア流出で単価下落傾向に歯止めがかからなかったマーケットの状況は一変した。
それを表す一つの指標として、化粧品出荷統計をみると、3月以降は9月(0・2%減)を除き、2%台の安定成長を示している。2013年1~10月の累計では、個数が99・1%で縮小しているのに対し、金額は101・2%と上回っており、単価下落にも歯止めが掛かっている。ちなみに、2012年1~12月の累計では、個数102・8%に対し、金額は98・6%だった。
【表】過去3年間の新製品発売動向(2011年~2013年)
品目別(スキンケア、メークアップ、アイメークアップ、ヘアケア、フレグランス&ボディ、男性化粧品、レジャー&エチケット、ファミリー&ベビー、ハンド&ネール、化粧雑貨&美容健康食品)の前年比、構成比、平均単価
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◎2013年化粧品品目別発売状況
カテゴリー別の発売状況は各ジャンルの売れ行きを反映
メーカーの製品発売状況は業界動向を知る大切な指標であるという仮説のもと、週刊粧業は本舗が発信する商品情報を重要視して広くマーケットへ情報提供を行っている。
これは副次的な活用方法として年間トータルで集計して内容を検証した時、そこからは明らかな流行傾向や、参入各社がアイテム別に配分する注力度合いの濃淡を垣間見ることができる。
2012年12月から2013年11月にかけて市場に躍り出た製品のデータをつぶさに見ることは、メーカーが「アベノミクス」を好機と見たか否かをはかることにつながるかもしれない。
政権交代により景気の先行きに向ける期待感で幕があがった2013年は、世間の思惑に添って株価の上昇や円高の改善が進んだほか、政府の呼び掛けに応じて賃上げを敢行する大手企業の名があがった一方、それらが末端の実態経済に反映しているとの声は聞えなかった。
そうした景気動向に対し、もとより「不況に強い」と認識されてきた化粧品の市場背景は2013年にどのような揺れ動きを見せたものか。スキンケアやメークアップ、ヘアケアなど各カテゴリー毎に分析してみた。
【表】2013年製品用途分類別販売状況(化粧品)
カテゴリー別(スキンケア:11品目、メークアップ:7品目、アイメークアップ:7品目、ヘアケア:10品目、フレグランス:9品目、男性化粧品:13品目、レジャー&エチケット:6品目、ファミリー&ベビー:8品目、ハンド&ネール:9品目、化粧雑貨&美容健康食品:10品目)の数量(前年比)と平均単価(前年比)
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◎2013年日用品品目別発売状況
数量アップの傾向、価格も洗浄剤などが上昇
2013年の日用品の販売状況を製品用途別(洗剤・洗浄剤・仕上げ剤、口腔衛生品、消臭・脱臭・芳香剤、殺虫・防虫剤、衛生・救急製品、紙製品、シェービング、その他日用品類)に分類した。数量がアップしたのは、口腔衛生品や消臭・脱臭・芳香、シェービングであった。
【表】2013年の製品用途分類別販売状況(日用品)
カテゴリー別(洗剤:4品目、洗浄剤:5品目、仕上げ剤:2品目、口腔衛生剤:5品目、消臭脱臭芳香:6品目、殺虫防虫剤:6品目、衛生・救急製品:4品目、紙製品:4品目、シェービング:3品目、その他日用品類:3品目)の数量(前年比)と平均単価(前年比)
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◎業態別化粧品販売推移(2009年~2013年)
2013年業態別化粧品販売高
ドラッグストア・通販・量販・百貨店がプラスに
週刊粧業の推計では、2013年の化粧品販売高はトータルで前年比1・2%増となった。過去10年間の推移をみると、2008年まではほぼ横ばいながら増加基調にあったが、09年、10年、11年と3年連続でマイナスとなっていた。12年には0・4%増と再び増加に転じ、13年はさらに成長率が高まっている。
13年の業態別販売高は、「PA++++」導入効果や単価アップによる効果もあり、2~3%程度の成長を達成することは十分可能と思われたが、蓋を開けてみると微増にとどまった。
2012年(1~12月)と2013年(1~10月)の化粧品出荷実績を比較すると、ともに成長している点で一致しているが、単価については前者は1・8ポイントの単価ダウン、後者は2・1ポイントの単価アップとなっている。
【表】過去5年間の業態別にみた化粧品販売高(2009年~2013年)
業態別(化粧品店、訪問販売、量販店、薬局・薬店、CVS、百貨店、理美容室、通販・その他)の金額、構成比、前年比
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