化粧品・医薬部外品のOEM事業を展開している東洋ビューティは、10年ほど前から企画開発力の強化を目的に、品質・機能性評価試験のレベルアップを図っている。
先ごろ、その機能性評価試験において、製品供給先のエイジングケア製品に、保湿効果や肌弾力改善効果などアンチエイジング効果を確認した。外部機関によるヒト臨床による評価試験において、目尻シワ及びほうれい線に対して同等の有効性が認められたことから、その研究成果を7月に開催される日本美容皮膚科学会にて顧客と共同発表する予定だ。
同社は、品質・機能性評価への設備投資を継続的に行っており、中央研究所(大阪市)と宇都宮研究所(栃木県)の2拠点で試作用真空乳化機を全11台保有し、開発スピード力の向上を図っている。
ビーカーレベルだけなく、3~7リットルの試作機を用いることで、スムーズなスケールアップを実現するだけでなく、スケールアップした際に、たしかな有用性が得られる製剤開発を推進している。そこで得られた品質・機能性評価データを、販売企画に活かせる形で資料を作成・提供し、取引先との関係を深めている。
近年は、一歩進んだ企画提案も推進しており、発売後の商品もフィードバックし、機能性評価を中心とした研究を継続して進めている。新たに確認された効果は、商品の新たな付加価値として提案して、顧客の商品育成サポートにも取り組んでいる。
このほど、企画段階から一緒に取り組んできた顧客のスポット用クリームに、目尻シワ及びほうれい線を目立たなくする効果が新たに認められたという。
現行品では、目尻及びほうれい線用のエイジングケア製品としてコンセプト展開されていたが、今後は、目尻シワはもとより、口もとのエイジングサインであるほうれい線にも実感効果が期待できるエイジングケアクリームとして提案が可能だ。7月の日本美容皮膚科学会では、共同研究として研究成果を報告する。
大内利夫常務は「技術面でのサポートが、取引先の信頼を高め、次の依頼につながるようになってきている。今回のケースは、販売メーカーにとっては効果が学術的にも認められた効果性の高いクリームとして、商品価値をさらに高めることができる。当社にとっても学術発表が研究・開発力をアピールできる場になる。互いにWin―Winの関係になれるビジネスモデルとして今後も事例を増やしていきたい」と語った。
この記事は週刊粧業 掲載
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