オルビス、大型シリーズ「オルビスユー アンコール」は文系30歳男性が企画

訪販ジャーナル 2015年10月12日号 1ページ

カンタンに言うと

オルビス、大型シリーズ「オルビスユー アンコール」は文系30歳男性が企画
 オルビスは、エイジング世代をターゲットにした大型スキンケアシリーズ「オルビスユー アンコール」(全3品、3200~3500円)を9月末に発売し、数年前から全社を挙げて進めているブランド再構築をさらに進化させようとしている。

 このブランド再構築では、既にスキンケアシリーズ「オルビスユー」のヒットや創業以来初となるポイント制度の導入など数々の成果を打ち立てているが、それらを支えた要素の1つに多様な人材や意見を取り入れる「ダイバーシティ」(多様性)の考え方を積極的に推し進めたことがある。

 今後の売れ行きが注目される「オルビスユー アンコール」も、そんな多様性を重視する土壌から生み出された。

化粧品チームに男性2人、
独自視点で新風吹き込む

 女性社員が目立つ化粧品の企画チームの中で、入社8年目(30歳)の林毅氏は数少ない男性として奮闘している。林氏は昨年2月、化粧品の企画部門に配属された。

 入社後は主に食品やボディウェアの企画を担当。当時、文系(法学部)出身の新卒男性社員が商品企画に配属されるケースは異例だったという。

 現在担当している化粧品も、林氏にとっては未知の領域だった。そんな林氏が全面的に携わった初の大型スキンケア商材が、社運を背負って送り出された「オルビスユー アンコール」なのだ。

 商品企画部の上司である大内明香 課長は、その経緯をこう振り返る。

 「化粧品の企画チームには2年前まで女性しかいなかった。商品企画には今までにない発想や新しいアプローチが求められているため、女性では気づけないポイントに客観的に切り込める視点も必要だった。なにより林は、化粧品の企画に必要な優れた感性を持っていると感じた」

 そうして重役を任された林氏は、それまでの企画立案において「こちらの訴求とお客様が求めていることに少し乖離があった」と分析する中、まずは「ターゲットが何を考えているのかを深掘りする」ことを徹底しようと考えた。

 「今までは口コミなどの顕在化しているニーズにしか応えられておらず、勝手に『こういう悩みですよね』と思い込んでいた部分があった。本当にお客様の深層心理に触れるにはどうしたらいいのか。一度リセットして調査を進めた」という。

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