化粧品OEMメーカー、独自開発で業界を支える存在へ

週刊粧業 2015年10月12日号 1ページ

化粧品OEMメーカー、独自開発で業界を支える存在へ
 週刊粧業では春と秋の年2回、恒例企画として化粧品・医薬部外品OEM企業を特集し、経営トップやアンケート調査からOEM業界の最新動向として紹介している。

 近年の上記特集を振り返れば、「独自性」や「差別化」を意識した積極的な投資が傾向の一つとして浮かび上がる。その最たる取り組みが「研究開発」だ。

 そこで今年も昨年に続き、化粧品OEM特集のスピンオフ企画として、研究開発に従事するOEM研究者へのインタビューをとりまとめた。

 質問は、研究者としてのこれまでの実績から、企業としての開発方針まで拡げ、OEM各社の特色の一つとして紹介する。

改正薬事法を契機に投資加速
今後は研究開発の質的向上へ

 処方開発に注力するOEM企業が増えた要因として、2005年の薬事法改正により「製造業許可が「製造販売業」と「製造業」に分かれたことが背景にある。

 それ以降、ブランドメーカーのアウトソーシング化が進展し、同時に異業種からの新規参入企業が増えてきたことは、これまでにも何度か紙面で取り上げてきた。

 OEM企業は、その受け皿となるべく、顧客からの要望や要求に対応できる体制を整える必要性が高まり、研究開発への投資に力を注ぐようになった。

 そうしたOEM業界の動きは、約120名の研究開発者を抱える業界最大手の日本コルマーの取り組みからも窺い知ることができる。

 業界に先駆けて研究開発に力を注いできた同社が、2004~05年にかけて研究開発本部内に基礎研究部、マーケティング部を設置し、組織体制を整えた。その時期が、ちょうど薬事法改正と重なることは、単なる偶然ではないだろう。

 実際、今回のインタビューでは、組織体制の整備後、各部門の連携を強化した結果として「トレンドを捉えた独自のコンセプトとエビデンスデータに基づく付加価値の高い製品の開発につながった」と話している。

 今後の業界動向を探るうえで、同社が今年4月に新設した横浜研究所で大学との共同研究をスタートさせたことは、今後のOEM業界が進むべき道の一つとして押さえておく必要があるだろう。

 また、ミリオナ化粧品は、医薬部外品を話題にして承認品目を約30種まで増やしたことを明らかにし、「納期に関して一般化粧品と同等のスピードで提供できる」ことを自社の強みの一つに挙げた。

 開発スピードの向上については、東洋ビューティ、日進化学などが継続的な課題として言及した。

 東洋ビューティは、これまでに開発した処方のデータベースの改修を進め、開発スピードに加え、営業提案力の向上につなげていく考えを明らかにし、日進化学もまた、「最終製品化に近い形」での開発力の向上を目指すといい、開発処方の採用率を高めていく意向を示した。

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