化粧品原料メーカー・商社各社、有望素材の提案強化へ

粧業日報 2015年12月8日号 1ページ

カンタンに言うと

化粧品原料メーカー・商社各社、有望素材の提案強化へ
CITE出展各社が好反響受け、
成約へ向けた追い込みを活発化

 2015年は、第7回化粧品産業技術展(CITE Japan 2015、以下CITE)の開催年だったことから、現在、出展企業の間では展示会で初披露した新規原料などの引き合いが高まり、商談から成約へと昇華させていく動きが活発化している。

 出展した化粧品原料メーカー・商社の多くは、概ねでCITEを足掛かりに新規・既存原料の提案を軌道に乗せたと話すケースが目立つ。

 岩瀬コスファでは、セラミドと同様の保湿効果や外的要因から肌を守るバリア機能が期待される新エイジングケア素材「ビオセラQD」(大日本化成製)が好評だったといい、香栄興業では今回のCITEで初披露目した発酵素材が特に評判で、今後は専門性とわかりやすさを追求し、成約へとつなげていく考えだ。

 セティでは、遺伝子の発現を調整する一連の仕組み(エピゲノム)に着目した新エイジングケア原料「エピジェノミル」が、「これまで市場にない着眼点の全く新しい原料として展示会以降、非常に引き合いが高まっている」(同社)という。

 一方、既存原料に関しては日本精化が展示会終了後、CITEの出展者技術発表会で技術発表を行った毛髪アンチエイジング素材「エルカラクトン」や、泡質の改善に着目したプロモーションの結果、シロキクラゲ多糖体「トレモイスト」のサンプル依頼が増えているという。

 また、東振化学では天然油剤「ダイコンシードエクストラクト」を改めて紹介し、新規採用が決まったとしているほか、GSIクレオスも100%天然由来のペンタンジオール「グリーンペンタンジオール」を改めて紹介したところ、「展示会後の7~10月にかけて毎月倍々以上のペースで伸長し、予想以上の売れ行きを見せている」(同社)という。

 引き合いの高まっている商材の動きに対応し、政策面では一部の企業で先を見据えた設備投資と人員増強の動きが活発化している。

 高級アルコール工業では来春に第2工場・研究所が完成予定で、さらなる顧客サービスと製造の合理化を推進させ、化粧品原料市場へ存在感をより一層高めるような営業活動を増大していくという。

 寿ケミカルでは、今年11月に東京営業所の人員を増強し、東日本エリアのサポート力を高めている。同社では、来春以降も引き続き人員増強を進めていく方針だ。

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