ホシケミカルズ 川島社長、原料・OEM・容器に至る製造の全てを網羅

週刊粧業 2017年3月27日号 14ページ

カンタンに言うと

ホシケミカルズ 川島社長、原料・OEM・容器に至る製造の全てを網羅
 ホシケミカルズは、1975年に化粧品原料商社として創業した。川島氏が同社に入社したのは1977年。当時の化粧品業界は、既に1兆円規模の成熟産業だった。

 「化粧品原料商社として後発である我々が、成熟産業の中で原料をどう販売していくか――。」

 この解決策として、まず取り組み始めたのが本舗メーカーとOEM企業とのマッチングだった。

 「こんな商品を作れるOEM企業はないか」という本舗メーカーからの要望を受け、同社が仲介役となってOEM企業に仕事を紹介する。その代わり、新たに作られた製品には同社の原料を使用してもらうことで着実に販売実績を拡大していった。

 こうして軌道に乗せた原料販売をさらに拡大するために、川島氏は「OEM企業に仕事を紹介するだけでなく、自社でOEM事業もすべきだ」と考えた。

 しかし、原料商社でOEM事業を展開する企業は当時前例がなく、これまで仲介ビジネスで取引があったOEM企業と競合相手にもなるため、大きな挑戦とリスクがあった。

 それでも、川島氏は当時の星野磊社長に直訴し、1988年に約60坪の工場スペースで化粧品OEM事業をスタートした。

 開始から3年で見事にOEM事業を成長軌道へ乗せた同社では、初め1996年にインドネシアに合弁会社を設立し、容器生産まで事業領域を拡大した。これも「原料販売の拡大」が出発点となっている。

 川島氏は現在、佐賀県唐津市に拠点を構える一般社団法人「ジャパン・コスメティックセンター」(通称=JCC)の代表理事も務めている。こうしたつながりもあり、最近ではヨーロッパの現地企業との取り組みが活発化し、日本独自の原料を用いた輸出案件が着実に増えているという。

 また、今夏を目途に沖縄充填工場を化粧品工場で日本初となる「保税工場」の実現を目指すなど、今もなお業界初の新たな挑戦を続けている。
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