三葵コーポレーション、国産メーキャップ容器で高級路線へ

週刊粧業 2017年5月29日号 15ページ

カンタンに言うと

三葵コーポレーション、国産メーキャップ容器で高級路線へ
 化粧品容器の開発・製造・販売を行う三葵コーポレーションは、昨年から進めてきた本社・工場(愛知県・岡崎市)の増改築を今夏に終え、生産力を拡大する。

 合わせて、本社の傍には倉庫・配送センターを新設する。設備投資に合わせて、伊藤博行社長は、自社工場による一貫生産体制を強みに「『高級路線』への歩みを本格的に進める」と新たな成長戦略を打ち出した。

 「世界の化粧品市場全体で高級志向が高まっている」との見解から、従来の高級路線をさらに太くする。「高級路線」への意気込みは、迎えるCITE Japan 2017の出展ブースでも表現する。会場では、高級路線への本気度を示し「約10年ぶりに一新した」という「容器カタログ」(写真)も初披露する。

容器カタログを10年ぶりに刷新
主力のメークコンパクトから新製品

 伊藤社長は、日本国内の化粧品市場を昨今賑わせているインバウンド需要拡大に触れて「裏を返せば自国に並ぶ化粧品にどこか物足りなさを感じているからだ」との見解を示し、こう続ける。

 「中国・アジアはもとより、化粧先進国が多いEUでも同様に、高品質な日本製を求める傾向が強まってきている。少し背伸びして『今よりもう少し高級なもの』を求めたくなる消費者心理は万国共通のものだと見ている。化粧品の中身の魅力を容器の高級感や上質感で引き出していく」

 世界からの日本製への高評価を強みに、高品質・高付加価値を訴求した高級路線へと突き進む。その決意を新・容器カタログのビジュアルで魅せる。

 新・容器カタログは、「高級スイーツ」をテーマに、「上質さ・上品さの表現にこだわり、お客様目線に立ち、主力の『メーク用コンパクト』などの仕様をわかりやすく掲載した」という。カタログ表紙は、樹脂皿をモザイクのタイルに見立てて配列し、メークの魅力を表現している。

 CITE Japanの出展ブースも、「高級スイーツ」をコンセプトに、カタログ表紙のメークパレットのモザイクデザインを取り入れた。

 ブース内では、高級路線への決意表明といえる新型のコンパクトシリーズを展示するほか、新たな加飾技術を取り入れた容器など幅広く展示する。

 目指すのは、消費者が店頭やインターネットで目にした時、そして実際に手にした時に「他と何か違う」と感じてもらえるような容器だ。

 容器の「高級感」は、「肉厚感」や「重厚感」といった言葉に置き換えられて表現されるが、そこへのアプローチも「新しい試みを進めている」という。

 「日本国内ではなく、日本を含む世界市場を見据えれば、全ての人に気に入られるような容器やデザインでは、遅かれ早かれ価格競争に巻き込まれてしまう。容器の高級化を進めていく中で、少数派であっても熱烈に受け入れられる容器も追求していきたい」

 伊藤社長は、その先に「一人ひとりオリジナルのデザイン容器」を見る。

 「化粧品が女性の魅力や個性を引き出すものである以上、その器もよりパーソナルに寄り沿っていかねばならない。パーソナル容器化に向け、既成の概念にとらわれず、新しいことにも果敢にチャレンジしていきたい」

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