花王、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を発表

粧業日報 2019年4月24日号 4ページ

花王、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を発表
 花王は4月22日、気候変動、高齢社会、資源枯渇、海洋プラスチックごみといった社会的課題がグローバルで深刻化する中、消費者ニーズが高まっている持続可能な暮らしを「Kirei Lifestyle」とし、それを実現するためのESG(環境、社会、ガバナンス)戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定、Webサイトにて公開した。

 詳細は、同じくWebサイトで公開した「花王統合レポート2019」「花王 サステナビリティ データブック2019」に掲載している。なお英語版は、それぞれ5月17日と6月24日に公開される。

 「Kirei Lifestyle Plan」は、ビジョン、2030年までの3つのコミットメント、重点取り組みテーマである19のアクションで構成されている。

 1つ目の柱「快適な暮らしを自分らしく送るために」のアクションの1つである「ユニバーサル プロダクト デザイン」では、ユニバーサルガイドラインに適合する新規製品、改良製品の比率を2030年までに100%とするという目標を掲げている。

 2つ目の柱「思いやりのある選択を社会のために」のアクションの1つである「暮らしを変える製品イノベーション」では、ライフスタイルに大きく、ポジティブなインパクトを与える製品を、2030年までに10件以上提案するなどとしている。

 3つ目の柱「よりすこやかな地球のために」のアクションの1つである「ごみゼロ」では、2030年には革新的なフィルム包装容器を年間3億個普及させるほか、花王の全拠点から排出されるリサイクルされない廃棄物量をゼロにするといった活動を行っていく。

 同社では、2030年までに達成したい姿を「グローバルで存在感のある会社『Kao』」とし、事業の持続的成長と持続的な社会の実現のために、ESG活動をこれまで以上に重視しながら、「利益ある成長」の実現に取り組んでいる。

 昨年は、ESG視点での「よきモノづくり」を本格化するためESG部門を立ち上げ、社会課題のひとつであるプラスチック包装容器に関する同社の姿勢をまとめた「私たちのプラスチック包装容器宣言」を発表。プラスチック包装容器に関する成果としては、最新のつめかえ用製品「ラクラクecoパック」において、植物由来プラスチックを、重量ベースで15%取り入れている。

 こうした取り組みが評価され、同社は世界の代表的な社会的責任投資(SRI)指標である「Dow Jones Sustainability World Index」に5年連続で選定されている。

 執行役員 ESG部門統括のDave Muenz(デイブ マンツ)氏は、「Kirei Lifestyle Plan」の策定にあたり、「『Kirei Lifestyle Plan』は、私たちが、国連の開発目標であるSDGsにも示されている社会のサステナビリティにどう貢献し、より持続可能なライフスタイルを送りたいという消費者のニーズや願いに、どう応えるかという視点でまとめたものだ。消費者の『Kirei Lifestyle』の実現に向け、外見だけではなく内面も豊かに充実した、こころ豊かな暮らしに貢献していく」とコメントしている。
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