コーセー 小林社長、世界に通用するモノづくりを推進

週刊粧業 2020年1月1日号 36ページ

コーセー 小林社長、世界に通用するモノづくりを推進
 コーセーは、ブランドでは最重点グローバルブランド「コスメデコルテ」が33%の増収、地域では「アジア」が34.9%の増収と業績の牽引役となり、2019年上期業績は、売上高が7期連続で過去最高を更新した。

 創業80周年に向けた「VISION2026」では、「グローバルブランド拡充と顧客接点の強化(PhaseⅠ)」をテーマに、グローバルな視点でボーダレスな展開を進めており、「世界で存在感のある企業への進化」を目指している。

 その実現には「グローバルな適応性」が課題であると語る小林一俊社長に新年度の課題と抱負についてインタビューした。

積極的な新製品投入と販促により
売上高は7期連続で過去最高更新

 ――まず、2019年の国内化粧品市場を振り返っていただけますか。

 小林 2019年の経産省化粧品出荷統計(1~10月)は、金額が前年比104.8%、数量が前年比102.1%と増加傾向を示しています。

 この第2四半期までにおける日本経済は、台風や豪雨などの相次ぐ自然災害に見舞われたものの、雇用・所得環境の改善等に加え、消費税増税前の駆け込み需要などもあり、緩やかな回復基調で推移しましたが、それ以降は景気の足踏みが見られました。

 また、海外において、当社グループが主に事業展開をしているアジア・米国経済につきましては、アジアでは一部で景気減速もみられましたが、米国では回復の動きが続きました。

 そのような中、当社では各ブランドからの新製品投入や積極的なプロモーション展開をきっかけに、通常の需要に加え、消費税率引き上げ前の駆け込み需要も取り込むなど、主要な販売チャネルでプラス成長を遂げ、上期業績は、売上高が1707億円(6.1%増)、営業利益が283億円(7.8%減)、経常利益が280億円(14.0%減)、純利益が181億円(18.1%減)となり、売上高は7期連続で過去最高を更新しました。

 国内外の比率については、日本が70.1%(売上高=1197億円、伸長率=1.0%増)、アジアが18.4%(売上高=313億円、伸長率=34.9%増)、北米が9.8%(売上高=167億円、伸長率=4.4%減)、その他が1.7%(売上高=29億円、伸長率=70.4%)となっており、海外売上は前期比20.1%増の509億円、海外売上比率については前期比3.5P増の29.9%となっています。

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