ライオン、コロナ禍の働き方が「睡眠の質」に及ぼす影響を調査

粧業日報 2020年9月14日号 3ページ

ライオン、コロナ禍の働き方が「睡眠の質」に及ぼす影響を調査
 ライオンは、6月19日~26日にかけて、20~69歳の就業者2671名(男性:79.1%、女性:20.9%)を対象に、新型コロナウイルス感染症予防に伴う働き方の変化が「睡眠の質」に及ぼす影響についてアンケート調査を実施した。

 その結果、新型コロナウイルスの流行前に比べて「睡眠の質」が変化しており、特に、「リモートワークをしている」「新型コロナウイルスに対して不安を感じている」「仕事量が変化している」場合で「睡眠の質」が低くなると回答する人が増える傾向にあった。

 調査研究の結果の一部は、第27回日本時間生物学会学術大会(9月26日~27日、オンライン開催)にて発表する。

 同社は、QOL向上の観点から「睡眠の質」について研究を進めており、その成果の1つとして「清酒酵母 GSP6」の摂取が睡眠中の脳波におけるデルタ波パワー値を増加させ、起床時の眠気を改善し、「睡眠の質」が向上することを明らかにしている。

 現在は、就業者における「睡眠の質」が日中の業務効率に及ぼす影響などの研究を行っている。

 昨今、新型コロナウイルスの感染が長期化する中で、健やかな睡眠をとることは、休養に必須であるだけでなく、免疫機能の増強にも関連しているとされ、関心が高まっている。

 そこで今回、就業者の睡眠に関する研究の一環として、新型コロナウイルス感染症対策がもたらした働き方や意識の変化、心身への影響について、新型コロナウイルス流行前(2020年1月頃)と2020年6月とを比較したアンケート調査を実施した。

 新型コロナウイルス感染症の流行前後での「睡眠」の変化について尋ねた結果、「眠りの深さ」で「浅くなった」と回答した人の割合が「深くなった」と回答した人の割合より多く、「寝起きの熟眠感」で「悪くなった」と回答した人の割合が「良くなった」と回答した人の割合より多い結果となった。

 眠りの浅さや熟眠感の悪さは「睡眠の質」と深く関連するため、新型コロナウイルス感染症の流行に伴って、一部で睡眠の質が低下していることが示唆された。

 次に、働き方などの変化として、「リモートワーク実施の有無」「新型コロナウイルスへの不安」「仕事量の変化」が、「睡眠の質(眠りの深さ、寝起きの熟眠感)」にもたらす影響を調べた。

 リモートワークの実施者(約3割)と実施していない人の睡眠の質を比較した。「リモートワークあり」では、「眠りの深さ」「寝起きの熟眠感」ともに、「リモートワークなし」よりも睡眠の質が改善した人・悪化した人ともに割合が多く、睡眠への影響が大きい結果となった。

 しかし、その傾向をみると悪化した人の割合のほうが大きく、睡眠の質は低下する傾向があると考えられる。

 新型コロナウイルスに対して「不安あり」と回答した人(7割)と不安なしと回答した人の睡眠の質を比較した。「不安あり」では、「眠りの深さ」「寝起きの熟眠感」ともに、不安なしよりも睡眠の質が低下する傾向が見られた。

 新型コロナウイルス流行前後で、「仕事量が減った人」(4割)、「変化がなかった人」(5割)、「増えた人」(1割)に層別し、睡眠の質を比較した。

 仕事量が変化した人は量の増減にかかわらず、「眠りの深さ」「寝起きの熟眠感」ともに、「仕事量に変化なし」の人よりも睡眠の質が低下する傾向が見られた。

 同社では今回の調査結果を受け、「就業者にとって1日の大半を占める働き方などの変化が、気持ちのあり方や生活のリズムにも影響を及ぼし、『睡眠の質』を低下させていると考える。睡眠の実態を客観的に『見える化』し、個人が自分自身の状態を正しく把握した上で適切な対応をすることが、今後の健康づくりにおいて重要だ。睡眠を全身の健康にかかわる重要な生活基盤と捉え、引き続き、良質な睡眠習慣の普及に向けた研究を続けていく」とコメントしている。
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