グラセル、あらゆるエコ原料を検証し製品化を実現

C&T 2020年9月15日号 14ページ

カンタンに言うと

  • 多様な環境ニーズに対応できる容器会社へ
グラセル、あらゆるエコ原料を検証し製品化を実現


「グリーンナノ」を使用した新たなエコ容器
3%の少量添加で60%のCO2削減を可能に

 新製品では、高級感ある肉厚ボトルでありながらリフィルにも対応する新ボトルシリーズ「FREIA(フレイヤ)」と「CHARIS(カリス)」を開発した。

 意匠性の高い肉厚ボトルに、リフィル対応のインナーボトルを採用して、高級感とエコを両立させた。

 リフィルには、紙パウダー51%を含有したキャップ「REF-20紙CAP」を使用することで、より環境に配慮した製品が可能だ。30mLサイズで、美容液などに対応する。 

 他にもプラスチックの使用量を減らした製品開発にも取り組んでいる。

 同社はこのほど、地球にやさしい添加剤「green nano(グリーンナノ)」を使用したボトルを開発し、新たな環境対応容器として販売を開始した。

 同社は、様々な材質の環境対応容器のラインナップを拡充してきた中で、「ダイレクトPETボトルの環境対応品が手薄だった。グリーンナノを添加したダイレクトPETボトルの完成により、あらゆる顧客ニーズに対応できる体制が整った」と話す。

 現在、ダイレクトPET以外の材質でも検証を進めており、早ければ年内にも紹介を開始する予定だ。

 「グリーンナノ」は、燃焼時にCO2を削減する技術で、東京理科大学の阿部正彦教授と、同大学発ベンチャーのアクテイブ㈱が開発した素材である。

 グリーンナノの成分が脱水素触媒として働くことで、プラスチック燃焼時の炭化反応が促進されCO2が削減される仕組み。炭化反応とは、炭素と酸素の結合を阻害し、炭素と炭素が結合するように働くことをいう。

 グリーンナノを3%添加したダイレクトPETボトルの燃焼試験では、焼却時のCO2を約60%削減することが認められた。落下・加工性・外観も従来のダイレクトPETボトル製品と比べて、遜色ない結果が得られている。

 「意匠性の問題もないので、新製品はもとより、既存品でも検討してもらいたい」(同社)
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