宮本、人材育成など事業基盤の強化で市況の変化に対応

週刊粧業 2020年10月19日号 36ページ

宮本、人材育成など事業基盤の強化で市況の変化に対応
 容器の販売を手掛ける宮本は、今期(20年11月期)の業績が前年比10%増で着地する見通しだ。コロナ禍にも関わらず、19%増の前期からさらに業績を伸ばした格好となった。

 成長の背景には、顧客への細やかなフォローアップ体制があるという。この体制により、リピート受注に加え製品の新たな採用も進み、既存客の取引額が伸長した。

 さらにクチコミ等から新客の受注も増えたほか、取引先の容器メーカーが増加し、より幅広い製品を提案できる体制となった。こうした取り組みの積み重ねが業績拡大につながっていると宮本浩樹社長は分析する。

 これと並行し、同社は人材の確保・育成を進めている。コロナ禍で買い手市場に転じた緊急事態宣言明けに、人材の大幅募集を開始。予想を上回る募集の中から約10名を選りすぐり、各部署へ幅広く配属した。

 また、営業職をサポートするアシスタントも育て、営業体制の増強も図っている。両者の連携で情報の収集精度を高め、取引先企業の拡大といった成果につなげている。

 設備面では、船堀と八潮に構える印刷工場2つの経営を統合した。各工場が持つノウハウを共有し、さらなる品質向上に取り組んでいる。

 「大幅な人材確保により、将来的に活躍できる人材の育成を進めている。一方、新入社員への教育が既存社員の業務見直しにつながることもあるなど、会社全体の相乗効果も期待している」(宮本社長)

 今後について伺うと、事業基盤の構築に注力し、予測不可能な市況の中でも安定供給ができる体制を目指すという。

 「お客様へ製品供給の義務を果たすとともに、社員を含む関係企業を守ることが最大のミッションといえる。さらに、人材育成で長期的な成長の種を撒き、市況の上向き時に対応できる基盤を整えていく」(宮本社長)
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