進洋、独創的な小袋フィルムと脱アルミ・紙構成の環境配慮包材が好調

週刊粧業 2021年3月22日号 8ページ

進洋、独創的な小袋フィルムと脱アルミ・紙構成の環境配慮包材が好調
 化粧品に特化したラミネートフィルム専門商社で「実験大好きカンパニー」を掲げる進洋は、11色のインキを使って刷り重ねる印刷やツヤなし加工を施したマット印刷など、印刷の難易度が高く手間のかかる独創的で付加価値の高い主力の液体自動包装小袋フィルムが、コロナ禍でも堅調に推移している。

 同社では、全国各地の主要都市にフィルムメーカーと印刷加工を行うコンバーターを抱え、クライアントの要望に応じて最適なラミネートフィルムを選定・調達するほか、社員が実際の印刷現場で色味の最終仕上がりなどをチェックする「印刷立会」を徹底して行っている。

 また、包装物の強度や耐圧性能などを測定する実験機器を独自に開発し、それらを用いたフィルム包装に関するトラブル解析も強みとする。

 「印刷が簡単な汎用の小袋フィルムは価格競争に陥りがちだ。そうした中で、専門商社である我々の存在意義を示すためには、競合他社が真似できないような面倒で技術的に難しいと断られた案件に対し、お客様や製造現場それぞれと対話を重ねながら、柔軟に対応することが大切だ」(石井聖一社長)

 同社では現在、環境配慮包材として主に5つのフィルム(紙構成・リサイクル・バイオマス・脱アルミ・耐アルコール性)の開発に注力している。

 独自開発した実験機器を用いて充填時の液漏れや遮光性能評価といった品質関連の試験を行い、保存性の基準をクリアした環境配慮包材をクライアントに提案している。

 その中でも、輝くような白さが際立ち、アルミ箔に匹敵する保存性と遮光性を併せ持つ「脱アルミフィルム」と、バリア性能を担保しながらプラスチック使用量を削減することでプラマークから紙マークへの表示に切り替える「紙構成フィルム」への引き合いが高まっているという。

 「フィルムの白さにこだわりを持つ化粧品メーカーは非常に多く、当社でも20年以上追い求め、ようやくJAPAN PACK(日本包装産業展)2019で脱アルミフィルムを披露できた。既に大手化粧品メーカーに採用され、新たな柱として期待している。紙構成フィルムは、小袋フィルム以外に詰め替え製袋品で今後の需要増が見込まれる」(石井社長)
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