日進化学、柔軟性を重視した設備投資で積み上げたOEM基盤を活用

週刊粧業 2021年4月12日号 28ページ

日進化学、柔軟性を重視した設備投資で積み上げたOEM基盤を活用
 日進化学は、和歌山と大阪の3工場体制でエアゾール製造と化粧品OEM/ODMを展開している。

 BCPの一環で、各工場で同質の調合設備、充填機を導入し、新製品の立ち上げからスケールアップまで対応できる体制を整えている。

 髙田寛社長に話を聞いた。

 ――コロナ禍で企業のBCP対応が重視されました。

 髙田 OEMという事業の性質上、社内体制も含めて取引先に合わせていくことがマストだと考えている。

 近年、当社は化粧品OEM事業の成長拡大とともに、自社の研究開発・提案力を活かしたODM戦略を推進・強化しているが、その取り組みを継続強化できるのもOEMの安定した基盤があるからだ。

 BCPに関しても同様の考えで、設備投資を行っている。

 ――コロナ禍では比較的早い段階で、大阪本社と東京営業所でリモート環境を整えていました。

 髙田 これまで製造の直接部門と間接(管理)部門の双方でデジタル化を推進してきたが、コロナ禍の急速な変化によって、QCDやBCPに限らず、これまで進めてきた様々な改革を急ピッチで進めなければならないとの気持ちを強くした。

 2020年度の事業計画案では、生産システムのIT化の推進・強化とともに、リモートワークの推進や障がい者採用の間口を広げることを決めていた。

 リモートワークに関しては、女性社員の比率が高まってきていたこともあり、社員のライフステージの変化に柔軟に対応し、活躍し続けられる環境を整える必要性を感じ、19年末にクラウドサービスを導入していた。

 ここまで大胆にリモートワークを広げる予定はなかったが、準備をしていたことでスムーズに整備することができた。

 ――製造の直接部門に関しては。

 髙田 まずは生産システムの進化を促し、業務の効率化と合理化を図っていく。

 主要2工場が和歌山県内の近距離にあるものの、和歌山工場はエアゾール製造で高圧ガスを扱っていることから危険物に対応した生産設備を有し、一般的な化粧品工場に比べ、火災や地震などの災害対策に強い。

 もう1つの橋本工場も、12年の新設の際に耐震強度を高めた。ハード面の整備に関しても、計画的に進めていきたい。
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