阪本薬品工業、高い増粘効果と柔らかな感触を両立した増粘・ゲル化剤を初披露

週刊粧業 2021年5月17日号 10ページ

阪本薬品工業、高い増粘効果と柔らかな感触を両立した増粘・ゲル化剤を初披露
 天然グリセリンの専業メーカーとして知られる阪本薬品工業は、今回の「CITE JAPAN」で、極性油から非極性油まで幅広い油に対して増粘・ゲル化が可能なポリグリセリン脂肪酸エステル「Sフェイス BED―102」(二塩基酸エステル)を初披露する。

 Sフェイス BED―102は植物由来のグリセリンから製造したポリグリセリン脂肪酸エステルをベースとし、メークアップをはじめオイルクレンジングやスキンケアクリームなど幅広い化粧品で感触調整や安定性向上といった効果が期待できるという。

 「化粧品用ゲル化剤としての増粘性能はもちろん、塗布時の感触がなめらかで優れた使用感にもこだわった。ブースでは処方例を用意しており、実際に使用感を是非試してもらいたい」(同社)

 阪本薬品工業では今年1月、グリセリンとポリグリセリン脂肪酸エステルに関連する最先端の研究機関や異業種などから集約した多様な知見や情報、技術を融合させ、「新たな価値」を生み出す空間として、研究所内(大阪府和泉市)に「Application Lab(アプリケーションラボ)」を開設した。

 ブースでは、新設のアプリケーションラボで開発した新たな処方例として、PEG(ポリエチレングリコール)フリーの「アロマミスト」「ノンシリコーンファンデーション」などを紹介する。

 アロマミストでは、優れた可溶化性能を持つCOSMOS認証取得の天然系可溶化剤「高親水性ポリグリセリン脂肪酸エステル(Sフェイス10G―IS/同10G―L)」の配合により、ラベンダーオイルなどの天然精油を高濃度で可溶化することが可能だという。

 「可溶化性能はもちろん、感触にも優れていることから国内外からの引き合いが好調だ。コロナ禍で天然精油を高濃度で可溶化できる処方開発が大きなテーマとなっており、こうしたトレンドにマッチする処方例をブースで紹介する」(同社)

 ノンシリコーンファンデーションでは、縮合リシノール酸エステル「SYグリスター CRS―75」と、乳化剤「Sフェイス IS―201P」を組み合わせて融合することで、環状シリコーン系や炭化水素油系、混合油系などの各種油剤を幅広く乳化し、安定したW/Oエマルションの調製を可能にする。

 同社によると、最近では植物由来原料を用いた処方開発へのシフトが急速に進んでいることから、この2原料を組み合わせたW/O乳化剤が、ファンデーションだけでなくサンケア用途でも好調に推移しているという。

 「今展示会ではグリセリンの専業メーカーとして改めて原点に立ち戻り、サステナブルな原料として食品や医薬品など幅広い産業で用いられる安定性の高いグリセリンを出発原料とし、化粧品の保湿剤となるジグリセリンやポリグリセリンをはじめ、乳化・可溶化・分散の各機能に特化したポリグリセリン脂肪酸エステルなどを用いた豊富な処方例を来場者にアピールしていきたい」(同社)
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