化成品商事、ナチュラル原料を前面に訴求

週刊粧業 2021年7月12日号 57ページ

カンタンに言うと

  • 原料以外のビジネス拡大を
化成品商事、ナチュラル原料を前面に訴求
 ケミカル製品商社の化成品商事は化粧品原料の需要増加にともない10年ほど前に、化学品グループから独立してケアビジネスグループを設立した。

 化粧品原料は界面活性剤、シリコーン、香料が主力製品で、ヘアケア、スキンケア、メークアップに使用されている。化粧品業界で一定の知名度があるが、新規顧客の開拓を目的に、CITE JAPAN2021へ初出展した。

 従来の主力製品群を維持・拡大していく一方、SDGs、サスティナブルなど時代の趨勢に対応し、数年前から植物油をはじめナチュラル原料を取り扱い、売上は徐々に増加している。

 CITE JAPANでは既存の得意先への提案を含め、植物油を中心としたナチュラル原料を前面にアピールした。

 植物油は輸入品でスペインのテキストロン社の33製品を取り扱っているが、スペースが限られていることもあり、アボカドオイル、ホホバオイル、シアバター、マカデミアナッツオイル、アーモンドオイル、オリーブスクワランの6製品に絞り込んで提案した。

 トリートメント、クリーム、キャリアオイルを中心に幅広く使用されている。

 国産品ではサミット製油のユチャ油などを展示した。基本的にテキストロン社、サミット製油の2社が補完し合うことで、植物油のニーズに対応していく。

 そのほか、国産品ではホルスの狭山茶シードオイル、湯河原温泉水などを展示した。

 来場者にはホホバ種子油、ユチャ種子油、茶実油や湯河原温泉水などが好評だった。こうしたナチュラル原料に興味をもってもらう一方、主力の界面活性剤、シリコーン、香料を提案した。

 また今回の出展に合わせ、OEMメーカーに委託して、処方サンプルを製造した。香料を変えたハンドクリーム、フェイスクリームを配布し、商談の中で原料の配合などを説明した。

 国内外のメーカーから原料の問い合わせ以外に、製品企画立案の依頼もあり、OEMメーカーと協業して製品化するケースもあるという。

 原料供給以外のビジネスの拡大にも着手している。一例で、レブリン酸とプロパンジオールを組み合わせた天然由来の防腐剤を企画している。そのほか、タイ、中国の海外拠点と連携し、輸出の拡大にも取り組む。
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