花王、AIを活用した自動棚割アルゴリズムを開発

粧業日報 2021年7月14日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 売場づくりの効率化に向けた実証実験を開始
花王、AIを活用した自動棚割アルゴリズムを開発
 花王は、コンシューマープロダクツ製品の販売を担う花王グループカスタマーマーケティングとエル・ティー・エス(LTS)が共同開発した人工知能(AI)による自動棚割アルゴリズムの実証実験を7月より開始し、棚割作業の自動化による業務改善と、販売店の売場づくりの効率化を目指す。

 同社では長きにわたり、顧客ニーズに適した品揃え、売れ行きに応じたスペース配分、売れ筋はゴールデンラインに陳列といった原則にもとづき、販売店の売上に貢献できる売場提案を行うために棚割システムを開発・運用してきた。

 棚割業務は、顧客に合わせた品揃えの検討や購買行動の変化に対応し、「見やすく・選びやすく・取りやすい」売場づくりのための重要な活動の1つだが、店舗ごとに異なる売場規模や商品構成等に応じて、数多くのパターンを人が経験をもとに時間をかけて作成する必要があり、販売店・メーカー・ベンダーにとって大きな業務負担となっていた。

 そこで同社は、棚割業務の効率化による作業時間・コストの削減を目指し、人が作成した基本パターンをもとにその商品構成や配置に準拠しつつ、拡大・縮小パターンを自動的に作成できるAI自動棚割生成アルゴリズムをLTSと共同で開発した。

 このアルゴリズムを活用することで、最大で棚割作業時間を従来の60%削減できる見込みで、より一層の創造的な提案活動への注力が期待される。販売店との実証実験を通して、効果検証とさらなる改善・効率化を進めていく。

 今後は、AIの進化により、店舗周辺の地域特性や顧客の購買行動の変化を検知し、より効果的な棚割を自動生成することで、さらなる棚割業務の効率化と、売上・利益の改善や欠品・返品の削減による売場生産性の向上を図る。

 同社は、2021年~2025年までの花王グループ中期経営計画「K25」を策定し、Visionを「豊かな持続的社会への道を歩む(Sustainability as the only path)」と定めた。

 このビジョンを実現するために、デジタル技術を活用してデジタルトランスフォーメーション(DX)を進め、新事業の始動と既存事業のイノベーション強化、働き方改革と活動生産性の向上を目指す。

 さらにDXを通じて、顧客との直接的かつ持続的な関係を築き、新しい価値体験を提供し続けるとともに、業務内容そのものや組織・プロセス・コスト構造さらには企業文化・風土を変革していく。
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