東洋ビューティ、組織的なODM戦略を推進・強化

週刊粧業 2021年8月23日号 7ページ

カンタンに言うと

  • 海外は中国企業の顧客化に本腰
東洋ビューティ、組織的なODM戦略を推進・強化
 化粧品・医薬部外品ODM/OEMの国内大手である東洋ビューティは、節目の80期(2021年4月期)を第二の創業期に位置づけ、5カ年計画をスタートして2期目を迎える。

 計画初年度はアルコール消毒液やハンドソープなど衛生関連製品のコロナ特需に加え、外出自粛や巣ごもりニーズを取り込み、増収増益で推移した。

 小井戸利行常務(営業本部本部長、海外事業担当)は、「80期は大きな環境変化にあって、当社がこれまで、原料・資材メーカーをはじめサプライヤー企業と一体となってモノづくりを追求してきたことを改めて実感した」と振り返った。

 迎えた81期は決算期を4月から12月に変更して変則決算になる。

 小井戸常務は、「コロナ特需の反動の影響を受けつつも、いいスタートが切れたので、全社一丸となってフレキシビリティとアジリティをさらに高めていく」と述べ、ODM案件を順調に積み増しして増収増益の達成を目指す。

 成長戦略の軸に据えるODMビジネスは、数年前から、営業と研究開発、そしてマーケティングリサーチも行う営業企画が1つのチームとなって顧客をフォローする体制を整え、取り組んでいる。

 その成果は5月に開催されたCITE JAPAN2021でも垣間見られたという。

 コロナ禍で来場者は前回に比べて少なかったが、小井戸常務は「その分、一人ひとりに丁寧な対応をすることができ、ニーズや要望に応じて絞り込んでのサンプリングができた」と話し、こう期待を寄せた。

 「これまでの出展経験に基づけば、成果は商品化という形で1~2年後に現われてくる。今回は、コロナ禍やコロナ後を想定したODM製品も提案したのでもう少し早く現れるかもしれない」

 また、5カ年計画では、「世界最良のODM企業」を目指して歩みを進めている。19年春に完成した佐賀工場を中心に、中国市場向けの製品開発を強化している。日本企業はもとより、中国企業の顧客化も図っており、「ベビーケアや敏感肌スキンケアを中心にサンプル提供も進んでいる」(小井戸常務)。

 中国企業との取引機会が増えてきたことから、来期にも中国現地に営業拠点を設け、中国ビジネスのスピード感に対応して中国事業の土台づくりを進めていく考えだ。
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