エフシー中央薬理研究所、3年後の工場新設を見据え、人材と設備への投資を積極化

週刊粧業 2021年8月30日号 10ページ

エフシー中央薬理研究所、3年後の工場新設を見据え、人材と設備への投資を積極化
 エフシー中央薬理研究所(本社=静岡県藤枝市)では、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりメークアップで苦戦を強いられたものの、クレンジングバームを中心にスキンケアが好調に推移し、前期(2021年6月期)の売上はほぼ前年並みで着地した。

 工場内の5S活動、改善活動を進め、生産性の向上を図るとともに、内製化を着実に進め、増益を確保している。

 東京営業所 企画部門 部門長の丸山友成氏は、前期を振り返り、「創業から36年、無農薬栽培の自然素材をベースにした基礎化粧品で支持を獲得してきたが、確かな技術と長年にわたる経験、ノウハウを活かし切れていないことが課題だった。しかしながら、コロナ禍の時間的余裕を有効活用し、研究担当が技術や経験の横展開を進め、営業担当が積極的な提案を仕掛けてくれたことで、新たな潮流である『おうち美容』ニーズを取り込むことに成功し、多くのお取引先でスキンケアの受注を増やすことができた」と語った。

 収益性向上に向けては、外注で行うことが多かった大ロットの受注を改めて精査し、現場から上がってくる改善提案を積極的に取り入れ、内製化に努めた。

 臨機応変に工場内の人員を移動させるなど創意工夫をすることで、大きな設備変更や人員の補充をせずとも、顧客の要望に応えられるフレキシブルな生産体制が構築できつつあるという。

 同社では、3年後の工場新設を見据え、人材(採用・教育)と設備への投資を積極化している。

 現在、開発や品質保証、生産管理、営業に至るまで余裕を持った人員構成にしていくべく、採用を積極化している。

 日々の業務に追われることなく、しっかりとした教育を提供できる土台づくりを進め、内部統制を図ることにより、取引先への提案にさらに磨きをかけ、売上拡大・収益性向上に結びつけていく考えだ。

 製造設備も最新鋭のものへと順次切り替えていく。将来的に工場の人員を増やすことは難しくなることが想定されており、人員を増やさずとも、生産性が上がる方向へと大きく転換していく。

 現在、最も重視しているのが、「組織的にPDCAを回す」ことであり、全社最適でPDCAを回していくことの習慣化を推し進めている。

 これを全社的に定着化できれば、「一人ひとりの感性が高まり、次から次へと新しい手が打てるようになる。答えを自分の枠外に求めることで、視野が格段に広がることを期待している」(丸山氏)という。
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