神戸市、日本最大級のプラスチック水平リサイクルを始動

粧業日報 2021年10月5日号 4ページ

神戸市、日本最大級のプラスチック水平リサイクルを始動
 神戸市と小売・日用品メーカー・リサイクラー16社は、循環型社会の実現に向けて協働し、市内75店舗に回収ボックスを設置、洗剤やシャンプーなど使用済みの日用品のつめかえパックを分別回収して再びつめかえパックに戻す水平リサイクルを目指すプロジェクト「神戸プラスチックネクスト」を、10月1日よりスタートした。

 初年度は5トン/年(将来目標10トン/年)の回収を目指し、市民への広報・啓発や回収実績などの情報を発信する。

 日用品のつめかえパック(フィルム容器)を回収・リサイクルして再びつめかえパックに戻す「水平リサイクル」(フィルムtoフィルム)に挑戦するもので、意志を同じくする参画メンバーが協働し、市民へ呼びかけを行い、神戸から全国へ広がる活動とすべく取り組みを推進していく。

 日用品メーカーからは、花王、ライオン、コーセー、P&Gジャパン、小林製薬、牛乳石鹸共進社をはじめとする10社が参画している。

 9月29日には共同記者会見が開催され、花王 執行役員(ESG 統括部門)のデイブ・マンツ氏は「毎日の暮らしに根差した商品を提供するメーカーとして、生活者が主役となって環境や社会に配慮した選択・行動を取っていけるような後押しをしていきたいと願っている。それを具現化したのが今回のプロジェクトになる。快適で豊かな暮らしを支えるプラスチックと、もっとうまく付き合う方法を見出していかねばならない。今回の取り組みを通じて協働して新しい技術を開発し、フィルム容器の水平リサイクルを実現していきたい」と語った。

 続いてビデオメッセージが放映され、ライオン 取締役 上席執行役員の小林健二郎氏は「当社は花王とともに昨年9月より使用済みつめかえパックの回収再生事業に取り組んできたが、1年あまりが経過し、その経験を携え、神戸市と参画企業とともに日本で最大規模の使用済みつめかえパックの再生プロジェクトに挑戦する。SDGsの中でも、資源循環の取り組みは企業の枠を越えて取り組んでいかねばならない。官民ほか、多くのパートナーと連携する必要がある。これにより、多くの知恵を集め、よりよい未来へ向かっていきたい」とコメントを寄せた。

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