ケイズ、化粧品コンシェルジュとして利便性を追求

週刊粧業 2022年1月1日号 76ページ

カンタンに言うと

  • 規格外農産物の活用で「地方創生」へ
ケイズ、化粧品コンシェルジュとして利便性を追求
 ケイズ(本社=石川県金沢市)では、容器から中身までオールインワンで提案できる「化粧品コンシェルジュ」として、さらなる利便性の向上を目指している。

 角嶋一幸社長に、昨年の振り返りと今年の抱負を聞いた。

 ――昨年を改めて振り返っていただけますか。

 角嶋 長引くコロナ禍で活動がままならない時だからこそ、昨年は自社の根幹部分を見直す1年に位置づけ、「人材育成」「デジタル化の推進」「生産能力の増強」といった経営基盤の強化に向けた取り組みを推進した。

 また、昨今の業界トレンドとなっているSDGsやサステナブルへの取り組みに関しては「地方創生」をテーマに、本社工場を構える地元・石川県内の農家や高校などとタッグを組み、ケイズらしさを加えたアップサイクルなモノづくりを進めている。

 当社では、出荷基準に満たない規格外の農産物や果物などを原材料に、真空低温蒸留法で留出した100%植物由来のエッセンス「植物生体水」を製造する独自の設備を有している。

 このような設備を有していることが地元でも徐々に認識され、石川県内にある複数の高校から「規格外の農産物がもったいない」「廃棄を何とかできないか」といった相談が次々と持ち込まれるようになった。

 実際にSDGsを見据えた授業を行っている高校では、規格外の農産物を活用する事業モデル考案の一環で、商品開発を共同で行っている。今後は石川県に限らず、様々な地域で社会課題となっている規格外農産物の活用につなげていきたい。

 OEMに関しては、香り製品へのニーズが高まっていることから、危険物(アルコール)の取り扱いが可能な本社第1工場で製造したフレグランスやルームフレグランスなどの受注が好調に推移した。

 アルコール関連では、10月に開催された「金沢マラソン2021」において、オリジナル手指消毒液を提供したことで金沢市から感謝状をいただき、今後もケイズらしい地域貢献の取り組みを進めていきたい。

  ――今年の抱負をお聞かせください。

 角嶋 今年も引き続き、当社の原点である「化粧品コンシェルジュ」として知恵を絞り、様々なお客様のお困りごとにしっかりと対応していく。

 SDGsやサステナブルの取り組みでは、何から始めればいいかわからないという地元農家の方々は依然として多い。そういった方々をケイズがバックアップし、「地方創生」をより一層推進していく方針だ。

 「ケイズと一緒にタッグを組むとどういったことが実現できるのか」「何ができてどういうお手伝いができるのか」をより明確化し、社外に向けた情報発信の強化を今年1年は注力していきたい。
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