花王 長谷部社長、「K25」「K30」の達成には健康領域の強化が必須

週刊粧業 2022年1月1日号 12ページ

カンタンに言うと

  • リップモンスターが時流を捉えヒット、エアジェットはESGの方向性に合致
  • DXの推進に向けてはコンテンツを提供する人材を増やすことが重要
  • 大志を共有する仲間と組むことでESGという遠大なテーマに挑む
  • モノを介さなくても稼ぐビジネスモデルの構築へ

花王 長谷部社長、「K25」「K30」の達成には健康領域の強化が必須
 花王は、中期経営計画「K25」において「未来の命を守る」企業への変革と発展に向け、「持続的社会に欠かせない企業になる」「投資して強くなる事業への変革」「社員活力の最大化」に取り組んでいる。

 衛生と健康、健康と美は全てつながっており、その中心に「健康」が位置していると説く長谷部佳宏社長に、2021年の動向と2022年の展望について話を伺った。



リップモンスターが時流を捉えヒット、
エアジェットはESGの方向性に合致

 ――まずは2021年を振り返っていただけますか。

 長谷部 新型コロナウイルスの感染拡大から2年近い歳月を経て思うことは、花王の事業ポートフォリオが、このコロナ禍においてはやや脆弱であったということです。

 ウイルスや菌の蔓延によって多くの人々の日常生活・社会生活が制限された際、我々が提供できる商品・サービスは少なかったと感じています。

 実際、外出が減ったことにより、化粧品や整髪料、洗顔シートなどの動きは鈍りました。一昨年のコロナ発生直後は、衛生関連商品(除菌シート、手指消毒液、ハンドソープ)が非常によく売れましたが、事業ポートフォリオの幅ということで言うと決して満足できるものではなかったと考えています。

 ――コロナ禍でヒットした商品について教えてください。

 長谷部 新たな気づきにつながるようなヒット商品をいくつか発売することができました。

 「KATE リップモンスター」は、4月の店頭入荷からわずか6カ月で累計120万本を出荷するなど、発売当初から品薄になりました。マスク着用が常態化する中にあって、「色が落ちない」という優れた機能が支持されました。

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