日本色材工業研究所、クリーンビューティを今後の柱に

週刊粧業 2022年2月28日号 9ページ

日本色材工業研究所、クリーンビューティを今後の柱に
 日本色材工業研究所は今期(2022年2月期)、国内外の大手メーカーを中心にリピート・新規受注を獲得し、コロナ禍で長らく苦戦が続いた主力のメークアップ化粧品OEMにようやく明るい兆しが見え始めた。

 奥村浩士会長に、「アフターコロナに向けた新戦略」をテーマに話を伺った。

 ――今期の受注状況はいかがでしょうか。

 奥村 当社では現在、既存品と新製品の受注が徐々に回復基調にある。これを受け、現在は来期に向けて今秋~来春の新製品提案に全力で取り組んでいる最中で、既に海外大手メーカーからの大型案件の受注が決定している。

 当社では毎年、最新のトレンド分析をもとに最先端の技術を駆使して株主優待品「Beauence(ビューエンス)」シリーズ(非売品)を開発しており、使用感や発色のよさはもちろん、趣向を凝らしたデザインが多くの株主さまから好評をいただいている。

 コロナ禍でも、2020年に当社で初となる筆ペンタイプのラメ入りリキッドアイライナー(シューティングスター アイライナー)を、2021年に美容液成分65%のプルプル水ジェリー処方を実現した化粧下地・美容液(ウォータリージェルプライマー)といった新製品を開発し、大手メーカーにも興味をいただくなど、特にこの2品は反響があった。来期はこうした新製品を中心に、巻き返しを図っていきたい。

 ――アフターコロナに向けた新戦略について、貴社のお考えをお聞かせください。

 奥村 フランスの子会社(テプニエ・日本色材フランス)を通じ、「クリーンビューティ」への要求レベルが高いヨーロッパで先行してヴィーガンなどをテーマとする製品開発を進めてきたことが我々の強みであり、これが今後1つの大きな柱となっていくだろう。

 使用する原料に制約がある中で、「ノンケミカルでシリコンフリーのサンスクリーン」など、処方設計で豊富な実績がある。

 中身の開発は日本で行っており、グローバルでの各種認証に対して柔軟に対応でき、こうした一段先、二段先の提案が競合他社と大きな差別化につながっていくはずだ。
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