資生堂、女性研究者サイエンスグラント第15回受賞者を決定

粧業日報 2022年7月12日号 4ページ

資生堂、女性研究者サイエンスグラント第15回受賞者を決定
 資生堂は、次世代の指導的役割を担う女性研究者を支援する「資生堂 女性研究者サイエンスグラント」の第15回受賞者10名を選出した。助成期間は2022年6月~2023年5月となっている。

 2007年に設立された同グラントは、化粧品関連領域にとどまらない幅広い研究分野を募集対象とし、応募には年齢制限がなく、研究を推進する目的であれば幅広く使用できるといった、研究者に寄り添ったユニークな特長がある。

 今回の募集では、特に「人々が幸福を実感できるサステナブルな世界の実現を目指した研究活動支援」「将来指導的立場を目指す女性研究者の育成」という観点で選出を行った。

 同社は、女性活躍を積極的に推進する企業として、日本のSTEM領域におけるジェンダー間の格差が大きいという問題の解決に対して、女性研究者を取り巻く環境に幅広く目を向けながら、受賞者の研究活動の支援とともに、研究リーダーとしてのステップアップを引き続き支援していく。

 助成金は研究費用としてだけではなく、出張時のベビーシッター代や研究アシスタントの雇用費など研究活動のサポート費用、学生の学会参加費など指導者としての活動費にも使用できることが特長だ。これにより、様々なライフイベント時の女性研究者の不安や迷いに対して精神的なサポートにつながっているだけでなく、受賞者同士のSNS運営や、交流会開催による女性研究者同士のネットワーク構築支援に貢献している。その結果、受賞者の多くが猿橋賞や米沢富美子賞の受賞、教授への昇進をはじめ、学術領域にてステップアップを続けている。

 2007年の設立から第14回まで、延べ139名の研究者の研究支援とキャリア形成に貢献し、今回、資生堂創業150周年の2022年に第15回を迎えた。

 今後も、研究助成金の支援だけでなく、研究者間や企業、社会とのネットワーク形成等、これからの女性研究者の活躍に有用なコミュニケーションの場を提供するなど、女性活躍支援企業として、学術領域における女性研究者が活躍できる社会の実現に向け、多様な視点で引き続き支援を行っていく。

 受賞者一覧/小川亜希子(国立大学法人 東北大学 加齢医学研究所 モドミクス医学分野 助教):【RNA医学/眼科学】RNA修飾代謝による新しいホメオスタシス制御機構の解明▽小川愛実(慶應義塾大学 理工学部 専任講師):【建築工学/住居学】脳卒中片麻痺患者における上肢リハビリテーション作業空間の評価▽折原芳波(国立大学法人 東京工業大学 生命理工学院 准教授):【免疫学/時間生物学(体内時計)/分子生物学】皮膚感染防御能を効率的に引き出す方法の探索▽簡梅芳(国立大学法人 東北大学大学院 環境科学研究科 先進社会環境学専攻 助教):【環境微生物学/分子生物工学】循環型社会の実現に向けた生物学的金属応答機能の活用▽クロフツ尚子(公立大学法人 秋田県立大学 生物資源科学部 特任助教):【農学】枝作りと枝切りのバランスに着目した難消化性澱粉合成機構の解明▽小菅厚子(公立大学法人 大阪公立大学 理学研究科 物理科学専攻 准教授):【物質科学/熱電変換工学】室温廃熱を回収するための高性能熱電材料の開発▽常松友美(国立大学法人 東北大学大学院 生命科学研究科 助教):【脳科学/睡眠科学】睡眠覚醒におけるアストロサイト活動の生理的役割の解明▽西島杏実(国立大学法人 東京大学大学院 工学系研究科 応用化学専攻 助教):【錯体化学/高分子化学】1分子の厚みしかない極薄ポリウレタンシートの開発▽平井志伸(公益財団法人 東京都医学総合研究所 精神行動医学分野 主任研究員):【神経科学/基礎医学/糖代謝】生理的・病態状況下における脳内フルクトース代謝機構の解明▽山田茉未子(慶應義塾大学 医学部 臨床遺伝学センター 助教):【臨床遺伝学】長鎖型シーケンサー全ゲノム解析の革新:未診断疾患小児の病因解明
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