エフシー中央薬理研究所、情報を共有できる体制を整備

週刊粧業 2022年8月22日号 9ページ

エフシー中央薬理研究所、情報を共有できる体制を整備
 エフシー中央薬理研究所では、マスク着用の常態化によりメークで苦戦を強いられたものの、スキンケアやヘアケアの受注が着実に増え、前期(2022年6月期)の売上は2ケタ増で推移した。

 東京営業所 企画部門 部門長の丸山友成氏は前期を振り返り、「お客様が課題としていることを正確にヒアリングし、それに対して我々の培った技術、処方を提案してマッチングさせていくことが一番の課題であると認識している。その実現に向けては、長年積み重ねてきた技術とノウハウを一元化することに取り組み、研究担当が処方に関する情報を共有できる体制を整えた。その結果、営業担当に積極的に提案を行うといったアクションにつながっている。まだ試行錯誤が必要ではあるものの、受注が増加するなど一定の成果に結びついている」と語った。

 収益性についても、外注で行うことが多かった大ロットの受注を精査し、現場から上がってくる改善提案を取り入れ、最新設備の導入や創意工夫により内製化に努めることで向上につなげている。

 「今後も省人化、効率化の観点から積極的に設備投資を行っていく」(村松瑞樹工場長)

 コロナ禍においては、マス着用の常態化でリップメークが落ち込んでいるものの、マスクに隠れないアイメークを重視する傾向はむしろ強まっている。そこで同社では、年内をめどに湿式タイプのパウダープレスが製造可能な湿式充填機の導入を進める。これにより、スキンケアだけでなく、メークにも強いことをアピールしていく方針だ。

 「来年1~2月頃からお客様にサンプルをお渡ししながら、すぐに発注が入っても対応できるような状況に持っていきたい」(丸山氏)

 同社では、中長期の成長戦略に基づき工場新設を計画し、造成工事を済ませているが、着工時期は未定となっている。

 これについて村松氏は「昨年の社長交代を機に、全社員が営業という気持ちでお客様のために何ができるのかを考え、同じ方向へ進む体制が整ったが、行動量についてはもう一段増やせると考えている。より多くのお客様との接点を増やしつつも、要望にスピーディに応えられるよう準備を進めたい。また、他社が二の足を踏むような難解な案件も取り込んでいき、しっかり利益を確保しながら商材化できるようにしていきたい。それらの取り組みが円滑に進み出し、新規取引先の数や売上が増えていった段階で着工時期は明確になるだろう」と語った。
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