日本天然物研究所、サイタイ血幹細胞培養液を中心にOEMを提案

週刊粧業 2022年11月7日号 8ページ

カンタンに言うと

  • ニーズに応えた幅広い提案を可能にする新工場を展開予定
日本天然物研究所、サイタイ血幹細胞培養液を中心にOEMを提案
 化粧品の原料開発からOEM・消費者向け販売をグループで手掛ける日本天然物研究所は、完全国産化した世界初の「サイタイ血幹細胞培養液」を中心に、同社グループにしかないオリジナル原料を配合したOEMの提案を行っている。

 幹細胞とは、細胞の基となる細胞を指し、自分のコピーを生成する「自己複製能」と身体を作る様々な細胞へ変わる「分化能」を併せ持つ。

 ヒト由来の「幹細胞」を培養して得られる上清液「幹細胞培養液」を化粧品に配合することで、細胞にアプローチし、肌根本からの改善が期待できる。

 同社グループが開発した「サイタイ血幹細胞培養液」は、臍帯血(へその緒)に含まれる幹細胞を培養して得られる上清液で、日本国内の産婦人科から協力を得て20~30代の「日本人」由来の臍帯血を使用しているという。

 また、細胞の採取から製造までの一連の流れを日本国内で行っており、「完全国産化」を実現している。

 ヒトの細胞の中で一番若く、そこから成長していくために必要な細胞を最も多く生成する組織として、「臍帯血」に着目したという。

 実際に同社グループでは、同原料の有効性を確認できるデータを多数取得している。

 同社グループでは、世界で初めて表示名称「ヒトサイタイ血幹細胞順化培養液」とINCIを取得しており、これによってサイタイ血由来であることと、幹細胞であることが明示可能になり、他メーカーとの差別化した訴求が可能になっている。

 また、昨年7月には化粧品製造の国際基準となる「ISO22716:2007認証」(化粧品GMP)を新たに取得するなど万全の態勢を整える。

 一方で、現状にとどまらないニーズに応えた原料や今後に向けた原料の展開も行っている。

 ニーズの高い植物性原料では、岡山県の特産品である「清水白桃」などの葉より抽出した植物エキス「白桃リーフエキス」の販売を10月より開始した。

 「桃の女王」といわれている岡山の「清水白桃」の桃の葉を、提携している農家から安定的に供給を受けることで原料を製造しており、抗菌・抗炎症作用や、肌の引き締め効果が期待できる。 また、NMPA登録済のため、中国でも使用可能な原料となっている。

 さらに、開発中の新原料として、発毛を促す成分を豊富に含む「毛根幹細胞培養液」を提案していく。

 毛根幹細胞とは、バルジ領域から毛根に送り出される幹細胞のことで、毛根に毛を生やす指令を送ることができる。

 毛根幹細胞培養液は、その毛根幹細胞を培養するときに得られる上清液のことで、 毛根細胞を活性化させ、発毛を促す成分を豊富に含んでいるという。

 現在は、同社グループにて同原料を含んだヘアケア製品を販売しており、2023年1月からは原料の販売も行っていく予定だという。

 「原料から良いものを作ることで、良い製品を作ることができる。今後も、できるだけ当社にしかない稀少でユニークな製品を作っていく」(同社代表取締役社長 三井幸雄氏)

 提案の幅を広げることを可能にする新工場の展開も予定している。

 埼玉県飯能市にて、同社の新工場が完成間近となっており、同工場では、粉末原料の自社製造を行うことが可能になる。
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