「100個からでも作ります」のキャッチフレーズで知られる化粧品・健康食品OEMメーカーのセントラル・コーポレーション(本社=岡山県、笹山博史社長)は、幹細胞コスメの中でも「『臍帯血由来』生ヒト幹細胞培養液」の引き合いが増えているという。
同社では、同培養液に高含有される「GDF11」に着目し、研究を進めている。このGDF11は、「若返りタンパク質」としても注目されている成分だという。
同社の笹山社長に、幹細胞コスメの最新トレンドについて話を聞いた。
GDF11の発現が認められた
臍帯血由来の幹細胞培養液に注目
――化粧品業界では「幹細胞コスメ」が注目を集めていますが、どのように捉えていますか。
笹山 従来は保護・保湿を図る「保護化粧品」がマーケットの主軸を担っていたが、消費者はもはや単純な保護化粧品だけでは満足できなくなっている。
マーケットの主役が、細胞増殖を含めたアンチエイジング化粧品へと移行していくのは必然の流れであり、実際そうなっている。
――様々な種類がある「幹細胞培養液」の中で、特に注目されている成分についてお聞かせください。
笹山 幹細胞化粧品の競合が増える中で、「由来で差別化ができる」ことの意味は、ますます大きくなっている。
化粧品として、幹細胞培養液に求められる機能が「ヒトの表皮細胞を増やす」ことだということを考えると、化粧品原料として最適な種類としては、当社が採用している「脂肪由来」と「臍帯血由来」に絞られてくるのではないか。
その中でも、特に注目されているのが「臍帯血由来」であり、その主な理由として有効成分の高含有が確認されているためだ。
当社が取り扱っている臍帯血由来幹細胞培養液は、実に89種類ものタンパク質で構成されている。
実際に原料メーカーが脂肪由来、骨髄由来、臍帯血由来の3種類について試験を行ったところ、臍帯血由来にのみ増殖成分である成長因子「GDF11」の発現が検出された。
――GDF11とは、具体的にどのような成分でしょうか。
笹山 GDF11は、皮膚細胞増殖や皮膚構成タンパク質の合成を誘導し、老化した皮膚を取り戻す働きをすることが確認されており、「若返りタンパク質」などと呼ばれる。
世界最高権威の学術誌「ネイチャー」「セル」「サイエンスにも、GDF11に関する論文が掲載されていることでも知られている。テレビをはじめ数多くのメディアで特集が組まれており、世界的にも注目が集まっている。
完全独自処方の幹細胞培養液
化粧品を「100個から」製造
――最近、「エクソソーム」という言葉を聞く機会が増えましたが、御社の原料にも含まれていますか。
笹山 誤解が生じないように説明すると、「エクソソーム」という情報伝達物質は、全ての幹細胞培養液に含まれており、当社原料にももちろん含有されている。
さらにいえば、当社の「臍帯血由来」ヒト幹細胞培養液には、脂肪由来の1.7倍のエクソソームと有効成分が含まれることも確認している。
――幹細胞に関する研究体制を強化しているということですが。
笹山 化粧品の分野は医療の研究が進歩するにしたがって、化粧品も進化させる必要があると考えている。
当社では、博士号を取得した専門研究家が在籍しており、幹細胞に関する研究を常に行っている。具体的には、幹細胞による骨再生に関する研究を進めており、2018年10月24日にはネパールで開催された国際学会で発表し、国内の学会では、日本再生医療学会をはじめ多数の学会にて研究成果を発表した。世界的にも研究が認められ、インパクトファクターの高い論文として掲載された。
2019年度にはこうした研究が国から認められ、個人の研究継続の承認を得て、研究助成金を支援されている。現在はアンチエイジング作用、即ち老化細胞除去可能な材料の臨床応用に向けた研究を進めている。
――幹細胞培養液コスメを扱う上での注意点をお聞きします。
笹山 注意点としては、「完全オリジナルの幹細胞化粧品の発売元」になることが、最も重要であると考えている。
当社では「完全独自処方」の幹細胞培養液化粧品を「100個から」でも製造させていただいている。
100個と簡単には言うものの、100個を5万円で作ると粗利は5千円しかない。その5千円で、試作費や原料手配、薬事校正、送料などを捻出しなければならない。
つまり、支援するという気持ちが根底になければ、到底できないことだ。私は、起業される方やエステティシャンのブランドステータス構築に一生をかけてサポートしたいと考えており、この支援事業を続けている。
「100個から」ならば、ほぼノーリスクで成長する幹細胞化粧品市場に参入することができる。まずは成功の一歩を、当社とともに踏み出していただきたい。